第1話 僕の幼馴染とは...
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SEのことをたくさん聞かされて感じた感想だ。
「花陽ちゃんもこうなりたかったのかな?」
小学生の時まで毎日のように聞かされた「アイドルになりたい」という彼女の願い
いつの日からか、その願いを聞かされることが無くなり今では『一人のファン』として憧れる彼女しか見ていない。
僕は「アイドルになりたい」という言葉を、夢を、思いを、もう一度彼女の口から聞きたい。
僕はすっと、ボックス状のCDケースを手に取る。
よくわかんないけどどうやらA-RISEの初回限定版LIVEディスクの入ったお宝ボックスのようだ。
お値段は0が1つばかり多いような気がする
「2万......6千円。」
財布の中身を確認する。
「......460円」
花陽の為に買ってみようかと思ったが全然お金が足りない。
溜息をついて商品を棚に戻そうとする。
「ねぇちょっと。」
背後から女性独特の声がした。だが、振り返ったそこには誰もいる気配は無く、首を傾げながら態勢を元に戻す。
そしてその後くいくいっと、制服の裾を引っ張られたような気がしたのでもう一度振り返る。が、それでもやはり誰もいなかった。
「もっと下に視線を下げなさいよ。」
「へ?」
そう言われかなり視線を下げる。
「.........」
「.........」
そこには僕と同い年かそれ以下の女子高生がじっと見ていた。
髪は黒でおそらく下ろせば腰近くまであるソレを赤のリボンでツインテール風に結っていて、実年齢よりも幼さを感じさせる。
制服を見て気づいたが花陽や凛と同じ音ノ木坂の制服である。リボンの色は彼女たちと違うけど......
こう見えて僕より年上なのだろうか。
というか、花陽達と身長に大差ないはずなのにどうして僕の視界に入ってこなかったのか甚だ疑問である。
「あの.........なにか?」
僕が声をかけられた理由を女の子に尋ねる。
そして、女の子のその真っ赤な瞳を僕から僕の左手に移る。人差し指をA-RISEの箱にむけてこう言った。
「アンタ......それをどうするの?」
「え?ええっと......、別に買わないから棚に戻そうかと思って......」
僕がそう答えたら女の子は目をパッ!と見開いて嬉しそうに小さくガッツポーズする。
僕はどうリアクションしたらいいかわからず、ただ呆然と立ち尽くしていた。そんな僕を見て我に返った女の子は軽く咳払いをして今度は右手を前に出す。
「アンタがそのボックス買わないのなら私に頂戴。」
「構いませんよ。僕が買ったところで宝の持ち腐れになりますし
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