第19話
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るアガットにプリネはニッコリと笑って確認した。
「………ああ。俺の負けだ……!」
勝負事に関してはケジメを持っているアガットにとって自分の発言を取り消す訳にはいかないので潔く自分の敗北を認め、両手をあげた。
「フゥ………」
アガットの敗北宣言を聞くとプリネは安心の溜息をはきレイピアを鞘に戻し、解放している力を抑えいつもの姿になった。そしてアガットの傷だらけの姿を見てアガットに癒しの魔術を使った。
「あ………いくつか擦り傷がありますね。治しておきます………癒しの闇よ……闇の息吹!!」
「………悪いな。(まさかこの俺が回復魔術を受けるハメになったとはな……)」
初めて体験した癒しの魔術にアガットはまさか自分が体験するとは思わず、戸惑いながらプリネの回復魔術を受けあることを疑問に思いそれを聞いた。
「………いくつか聞きたいことがある。なんで最初から本気で来なかった?それにテメエは貴族の娘なのになんでそんな強いんだ?」
「確かに私のあの姿を見たら普通そう思いますね……すぐにあの姿にならなかったのはまだ完全に私の中に眠る力が目覚めてないからです。」
アガットの言葉にプリネは苦笑しながらも答えた。
「ハッ……?どういう意味だ?」
プリネの説明が理解できずアガットは聞き返した。
「あの時見せた姿は私の中に眠る力を無理やり出した姿です。ですから長時間あの姿ではいられないんです。」
「なるほどな………それでなんでお前はあんなに対人戦にも慣れてんだ?直接お前と対峙してわかったが剣の腕はかなりだし、対人戦を想定した戦い方だったぜ?」
「私にある程度の力があるのはお父様やお父様の臣下の方達に鍛えられたからでもありますが、一番の理由は兵を率いる者としても強くならないといけないのです。」
「な……?まさかお前、私兵がいるのか!?」
アガットはプリネの兵を率いているという言葉を聞いて驚いてプリネを見た。
「はい。と言ってもお父様の私兵です。ですが将来その方々は私やリフィアお姉様に仕えることになります。その方々を失望させないため、また民の先頭に立って行動する”メンフィル貴族”として強くなければならないのです。」
「………下の奴らを黙らせるためっていうのはわかった。でもその”メンフィル貴族”としてってのはどういう意味だ?」
「……私達貴族は民の税で生活をしていることはご存じですよね?貴族は普通戦争等には関わりませんが、私達メンフィルは違います。”力あるものは無暗にその力を震わず力無き者を守るために使う”………これは初代から始まり、今の皇帝、また次期皇帝となられる方のお考えです。皇帝の考えは当然私達貴族は従わなければなりませんし
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