第17話
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市長に会うために市長邸に向かったエステル達だったが、生憎市長は留守にしていて時間の効率などを考えてエステル達は自分たちで探して会いに行く事にし、市長がいつもつれているメイドーーリラを探し見つけたのだが肝心の市長はボースマーケットに視察に行ったのでリラをつれてマーケットの方に向かった。
〜ボース市・ボースマーケット〜
「はー、ずいぶん広いよね。市長さんはどこにいるのかな?」
「何しろ目立つ方ですから、すぐに見つかると思います……」
周りを珍しそうに見ているエステルが呟いた言葉にリラは答え、ある一角の喧騒を見て溜息をついた。
「……ああ、やっぱり思ったとおり。恥ずかしながらあそこの女性が市長です……」
リラは溜息をついた後、商人の男性2人に説教をしている身なりがいい女性が市長だとエステル達に言った。
「貴方たち、恥を知りなさい。この大変な時に食料を買い占めて、値をつり上げようとするとは……。ボース商人の風上にも置けなくてよ。」
「し、しかしお嬢さん……」
「僕たちはボースマーケットの売り上げアップを考えてですね……」
2人の商人は及び腰で言い返したが、その言葉は市長にとって火に油を注ぐ言葉で市長はさらに商人達に怒鳴った。
「お黙りなさい!他の品ならいざ知らず、必需品で暴利を貪ったとあっては、わがマーケットの悪評にも繋がります。それにもしこのことがメンフィル大使にでも伝わったら、ボースは利益だけを求めている薄汚い商人の集まりと思われて、生前のお父様の粘り強い交渉でようやく実現することができた異世界の国、メンフィル帝国との取引がなくなってしまうかもしれませんのよ!?それを防ぐため、またお客様の生活のためにも即刻、元の値段に戻しなさい!」
「は、はい……」
「わかりました……」
市長の一喝を受けた2人は肩を落として頷いた。市長はそれを見た後、市長に怒られて表情を暗くしている商人達を自分の意図を話した。
「……わたくし、貴方たちのボースマーケットにかける情熱を疑っているわけではありませんわ。ただ、判って欲しいのです。商売というものが、突き詰めれば、人と人の信頼関係で成立している事を。大丈夫、貴方たちだったら立派なボース商人になれますから。」
「お、お嬢さん……」
「はい、頑張ります!」
市長から励まされた2人は元気が戻り、自分の持ち場に戻った。
(ほう……あれが噂のボースの女傑か……なかなかの為政者じゃな。)
(ええ……政治家と商人、両方の考えを両立させれる方はそうそういませんものね……もしかしたら将来、かつて娼館の経営と同時に都市国家長を務めた”幻燐戦争”の英雄の一人、”母神賢者”レ
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