第17話
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ボースマーケットの事業権と共に政治基盤を引き継いだだけですわ。」
「何というか……ずいぶん率直な自己評価ですね。」
自分のことをあまり高くない評価をしているメイベルにヨシュアはそのことを指摘した。
「所詮は商人の娘ですし、気取っても仕方ありませんから。それでは改めて、依頼内容を確認してもよろしいでしょうか?」
「うん、オッケーよ。」
メイベルの依頼を聞くためにエステルは真面目に答え、小声で話していたリフィア達も話をやめてメイベルの依頼を聞く姿勢になった。
「お願いしたいのは言うまでもなく、定期船消失事件の調査と解決です。わたくし、今回のような事件では軍よりもブレイサーの皆さんの方が結果を出してくれると思うのです。戦争をするわけではなく、謎を解き、解決するわけですから。」
「あら、光栄ね。買いかぶってくれるじゃない?」
シェラザードがメイベル市長を見て目を少し細めた。
「商人としての目利きですわ。実際問題、消えた定期船にはボースの有力商人が乗っています。それにこのまま、王国軍によるボース上空の飛行制限が続いたら、こちらの商売が成り立ちません。せっかくメンフィルとの取引も本格的になって来て、女王生誕祭を前に景気もかなり好調でしたのに……」
「なるほど。経済的な要請という事ですね。」
「ええ、とても軍だけに任せておくわけにはいきません。どうか、お願いできないでしょうか?」
ヨシュアの言葉に頷いたメイベルはエステル達に依頼を受けてくれるか確かめた。
「こちらにも理由があるし、引き受けたい所ではあるけど……。今回の事件に関しては軍が、あたしたちブレイサーを締め出そうとしてるみたいなのよね。そのあたり、市長さんの立場から何とか働きかけられないものかしら?」
「モルガン将軍ですわね……。あの方、昔からブレイサーがお嫌いでいらっしゃるから。」
シェラザードの言葉にメイベルは溜息をついた。
「あれ、市長さん。その将軍のことを知ってるの?」
エステルはメイベルがモルガンのことを知っている風に話していたのでそのことを尋ねた。
「亡くなった父の友人ですの。一応、顔見知りではありますわ。ですから……何とかできるかもしれません。……リラ。」
「はい、お嬢様。」
「……………………………………………………………………こんなものですわね。では、これをお持ち下さい。」
リラにペンと便箋を渡してもらい、その場で書状を書き、それをエステルに渡した。
「なに、この手紙?」
エステルは渡された手紙がなんなのかわからなかったのでメイベルに尋ねた。
「モルガン将軍への依頼状です。ボース地方の責任者
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