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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第16話
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すし。」

「うむ、個人の考えを我ら皇族が捻じ曲げる訳にもいかないしな。それは権力を悪用する薄汚い権力者共といっしょの行動になる。」

ルグランの呟きにリフィアとプリネは難しい顔をして答えた。



「2人ともその年でもう、そんなこと考えているんだ。さすがね〜………それでルグラン爺さん、例のリンデ号の事件はどうなったかさっそく教えてくれない?」

エステルはプリネとリフィアを感心した後、ロレントで知った飛行艇が行方不明になった事件の事について聞いた。



「ウム、それなんじゃが……王国軍による捜索活動はいまだに続けられているらしい。じゃが、軍の情報規制のせいで状況が全く伝わって来ないのじゃ。

一般市民だけではなくギルドにも何の音沙汰なしでなぁ……」

ルグランは溜息をついて情報が全く入って来ないことを嘆いた。

「ええ〜!?なんで!?軍とギルドって協力関係じゃないの?」

それを聞いたエステルは驚いた後、疑問に思ったことを聞いた。

「ま、それはあくまで建前ってやつよ。実際には、様々な局面で両者が争うことがあるわ。」

「つまり、縄張り争いですね。」

シェラザードの言葉を補足するようにヨシュアはエステルにもわかりやすいよう説明した。

「そんな……ねえ、2人とも、メンフィルもそうなの?」

エステルはそれを聞いて悲痛な表情をした後、プリネやリフィアに聞いた。



「メンフィル軍は基本的にこちらの世界で起こった事件等はギルドと連携しています。土地勘等は私達、異世界人ではわかりませんから。同盟国であり大使館があるリベールのロレント市は別にして、こちらのメンフィル領は”百日戦役”の際、占領した領ばかりですから民はあまり好意的ではないんです。その点、ブレイサーは普段から民の声を聞いていますから私達ではわからない民の情報もわかるんです。」

「うむ、これはリウイの意向でもある。その土地で起こった事件はその土地の者達に解決させる……彼らの生活に土足で踏み込んでしまった異世界出身の余達は彼らの影となって支えるのが筋というものじゃ。」

「そうなんだ……」

2人からメンフィルとギルドは諍いもないことを知ったエステルはホッとした。



ちなみにプリネ達は知らないことだが、メンフィルがエレボニア帝国領を制圧した当初はメンフィルは恐れられていたが、リウイの卓越した政治手腕により税はメンフィル領となる以前より低くなり、公共で利用できる医療機関の設立や軍による周期的な魔獣の討伐等、領内に住む人々にとって大きな助けとなり、だんだんと信用され始め、「メンフィル領になってよかった。」と言い始める人々も出て来てメンフィルは着実に領内の民からも慕われて来ているのだ。

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