第3章 リーザス陥落
第87話 最終局面へ
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のなら、必ず止める。……その死線の先には行かせない、それを志津香は胸に誓っていたのだった。
「はぁ……、ほんっと、損な性格してるわよね。アイツって。どーせ、なんか考えがあっての事、なんでしょうけど……」
やや、ため息を吐きながら、それでも平然と眺め続けているのは、ロゼ。
この場において、言葉を奪われた者達が殆どであるこの戦場において、悠長につぶやける、それだけでも強靭すぎる精神だと思えるだろう。
「からかう相手がいなくなる、ってのは、寂しいもんよ? ダ・ゲイルがいなくなるって事同様に、考えたくないわねー」
それでも、如何に様々な修羅場を経験し続けているロゼであっても、そこまで楽観的には見れていない様だった。……そして、例え自体は、微妙な表現だが、『悪魔としかヤれない』と公言している彼女が、そう言う、と言う事は……、つまり、そう言う事なのである。
「……なーんてね。さっさと、終わらしちゃいなさいよ」
……本心が垣間見たのか、或いは、狙った事なのか。
それは、ロゼ本人にしか判らない事だった。
「……ユーリ、さん。私は……」
そっと、懐に備えているくないに手を当てるのは かなみだった。
『手を出すな』
そう、ユーリに言われている。だが、それでも ユーリの力になりたいと強く思う自分も当然いる。……そして、ユーリの事を強く信じている自分も。
何が正しくて、何を選択すれば良いのかが、かなみには判らなかった。……でも。
「信じてます――。必ず、必ず……」
信じている気持ちに偽りはなく、ユーリを信じる、と言う選択は絶対であり、正しい事なのだ、と言う事だけがかなみにとっての事実だった。
これは、極々一部の人物達の心境を抜擢。
今回の戦争に参加した人数全て、ひとりひとりに感じる所があるのは言うまでもない事だろう。……だが、今回はこれまでにしよう。
――……今の戦闘が、長引く事はないのだから。
「ぐふ、ぐはははは……っ! やるなぁ、小童。まさか、ここまでとは思わなかったぞ」
戦鎚を何度回避された事だろうか。
もう、数える事ができない程、積み重ねた所で、トーマは大笑いをしながら、ユーリを見据えていた。
だが、ユーリは逆も逆。……トーマとは対照的。真逆だった。
心底、冷めた表情をしていたの
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