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Blue Rose
第八話 安息日にその五

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「現代アートね」
「それもあの美術館にあるから」
「観に行くわよ」
「わかったよ、姉さん」
 二人でサンドイッチと野菜と果物をミックスさせた甘いジュースを楽しんでだった。そのうえで今度はだった。
 美術館に行った、そこで芸術品も観てだった。
 そしてだ、そこからだった。
 今度は鉄道博物館に行き最後にだった。
 植物園に入った、もうその頃には四時を過ぎていた。
 その時間を自分の携帯でチェックしてからだ、優花は姉に言った。
「ここを回ったらね」
「これでよね」
「うん、もう終わりだね」
「閉館は六時だから」
「ここを回って」
「もう終わりよ」
「そうなるね」
「夕方に回る植物園もいいわね」
「そうそう、夕陽が差し込んでね」
 サンルームになっている植物園にだ、ガラスから。
「奇麗なんだよね」
「朝やお昼に来てもいいけれど」
「夕方もだよね」
「そうよね、それじゃあね」
「植物園も観て回りましょう」
「今からね」
 二人で話してだ、それからだった。
 最後に来た植物園を夕陽の中で回りはじめた、そして。
 その中でだ、優花は。
 最初に百合を観てだ、微笑んで言ったのだった。
「水辺で咲いているお花っていいよね」
「百合ね」
「菖蒲もあるしね」
 優花はその青い花も観ていた、そのうえでの言葉だ。
「このお花もいいよね」
「ええ、普通にあるお花よね」
「百合も菖蒲もね」
「けれど普通にあるものでもね」
「奇麗だよね」
「普通のものが普通の場所にあるだけでも」
 そこはサンルームの中であるがあえて池を造りその周りに花達を咲かせているのだ。その花達が実に奇麗なのだ。
「充分に奇麗なのよ」
「うん、この通りね」
「普通は悪くないの」
「いいことだよね」
「そしてね」
「そして?」
「違っていてもいいのよ」
 普通とは違ってというのだ。
「それもね」
「そうなんだね」
「そう、この百合も菖蒲もよくて」
 優子はさらに言った。
「青い薔薇もね」
「それもだね」
「そう、いいのよ」
「どれもいいんだね」
「そして悪くないのよ」
「そういうものなんだね」
「そう、だからね」 
 さらに言った優子だった。
「青い薔薇もね」
「観に行くんだね」
「それは最後だけれど」
「それでも絶対にだね」
「観に行くわよ」
「わかったよ」
 優花は姉のその言葉にだ、水辺の百合や菖蒲達を観ながら頷いた。そしてそのうえで姉に言葉を返した。
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