暁 〜小説投稿サイト〜
平凡な日常はたった一日で崩れ去る。
第九話

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「どの部屋も和風なんだな………。」

終夜はぼそりと呟いた。
そんな声でさえも拾われていたのか、
「ほとんどの部屋が和風なのに一つだけ部屋が洋風とか可笑しいでしょ?」
と返された。

終夜はまぁそうだよな、と納得する。

「………あ、そうだった。」
「ん?」
「何もないんだった………。」
「マジかよ………ちょっと見せろ」
「え、ちょっ、」

終夜は冷蔵庫を覗き込み__
何かを見つけた。

「挽き肉?………お、いいな。ちょっと台所貸してくれよ。」
「? 良いけど。」

終夜は挽き肉をボウルに空け………
と、何かを作っていく。

最終的には形を整えてフライパンで焼いた。

「どうだ、ハンバーグ!」
「!! ありがとう。」
「俺も食べよう。」

終夜は食べてる最中にとある疑問を投げ掛ける。

「お前今まで飯どうしてたんだよ?」
「………惣菜とか?」
「要するに買ってたってことかよ。」
「うん。」

そして終夜はまた何かに気付いた。
それからこんな結論に至る。

「もしかして雲雀はハンバーグ好きなのか?」
「………好きだけど。何か悪い?」
「いや、悪くねぇよ。」

むしろ可愛い。
終夜はそう思ってから頭を振った。

「ごちそーさんでした。」
「ごちそうさまでした。………美味しかったよ、これ。」
「そう言ってもらえると嬉しいな。作り甲斐もあるってもんだ!」

終夜はそう言ってから食器を下げにまた台所へ行った。
雲雀はその後ろ姿を眺め、考える。

想像以上に黒城終夜は面白いかも、と。
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