第2話
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て当てはまらない”ありえない出来事”にカシウスはまだ見ぬ青年の正体が何者であるかを考え込んでいた。
「―――あなた。まさか私達の命を救ってくれた方を不審者と疑っているのですか?」
「おっと、スマンスマン。それよりそのルーク君とはどこにいるんだ?俺も家族を救ってもらったお礼を言いたいのだが。」
愛妻の攻められるような目で見られたカシウスは苦笑いをしながら思考を切り替えてまだ見ぬ居候の青年の居場所を尋ねたその時、開けっ放しの玄関からルークが入って来た。
「何で玄関が開けっ放しになってんだ?――――あ。」
首を傾げながら扉を閉めたルークは見たこともない男性に気付いて目を丸くした。
「あ、おかりなさ〜い、ルーク兄!」
「おかえりなさい、ルークさん。ちょうどよかった。今、主人が帰って来てお礼がしたいそうです。」
「君がルーク君か?私の名前はカシウス・ブライト。レナの夫でエステルの父親だ。―――妻と娘が世話になった。本当にありがとう。君がいなければこうしてお互いの無事を確かめる事はできなかったかもしれない。」
「い、いいって!俺が勝手にした事なんだし!しかも家にまで泊めてもらっているんだから助かっているのは俺だって。(マジか!?エステルの親父さん、師匠―――いや、下手すればそれ以上の強さなんじゃねえか!?)あれ?そう言えば軍人なのに戦争中に帰って来て大丈夫なのか?エステルからはこの国を守る為に戦っているって聞いた事があるけど……」
頭を深く下げるカシウスにルークはカシウスから感じる”強者”の気配を感じ取って心の中で驚きつつ、恐縮した様子で答えた後ある事が気になって尋ねた。
「その件ならもう大丈夫だ。本日の正午に戦争終結の調印式が行われた。恐らくだが戦争終結の報も既に全ての都市に伝わっているだろう。」
「まあ……!これでようやくリベールに平和が戻ったのね!?」
「わーい、またみんなと遊べるわ!」
(よかった……)
もう戦火に怯える事がない事を知ったレナとエステルはそれぞれ喜び、ルークはこれ以上罪なき命が戦火によって理不尽に奪われる事がなくなった事に安堵の溜息を吐いた。
「あら?でもあなた、まだ戦後の処理とか残っているのじゃないかしら?確か階級は大佐でしょう?」
「た、大佐!?(ジェイドと同じ階級かよ!?軍でもかなり上の階級じゃねえか!?)」
夫の軍部での階級を思い出したレナは首を傾げて尋ね、目の前の男の階級とかつて共に戦った仲間の階級が同じである事にルークは驚いた。
「だ、大丈夫だ、うん。リシャールや将軍達がいるから、俺一人が抜けても何の問題も無い。」
一方レナに痛
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