バーサクブレイズ
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「……………ワニ?」
「あっ!? し、しまったぁ!? 私、今ワニキャップ被ってるんだったぁ〜!!」
自らの生存がバレる事も厭わずに勢いよく飛び出てきたものの、今の姿では色んな意味で格好がつかず、なのはは頭を抱えた。殺気立っていたフェイトもこればかりは思考が追い付かず一時硬直し、ジャンゴはさっきまでのシリアスを見事なまでにぶち壊したなのはの悲壮な後ろ姿から、どことなくマキナとビーティーの笑い声が聞こえたような気がした。いつもツッコミを入れていた彼女も、さり気な〜く染まっていたようだ。
「……こんなの……こんなのクールビューティな私のキャラじゃないよ……」
「(そもそもなのはにクールビューティな要素ってあったっけ? レディみたいなミステリアスさを醸し出した事なんて、一度も無いけど)」
「こ、こうなったら……とにかく勢いで誤魔化すしかない! ちょっとやり直させて!」
という訳で一旦隠れたなのははワニキャップを外し、改めて二人の方へ振り向くなり、
「嘘だっ!!!」
「あ、そこからやり直すんだ……念のために言っとくけど、ひぐらしはやめといた方が身のためだと思う」
「ジャンゴさん、シャラップ!! もう蒸し返さないで!!」
「はいはい、そういう事にしておくよ」
「で、下らない茶番はもう終わった?」
「茶番って言わないで! とにかく久しぶりだね、フェイトちゃん。こんな再会になっちゃって残念だよ」
不屈の魂を秘めた彼女は、なんとなく色々取り繕ってから、ネイキッドエースとして再び友の前に君臨したのだった。なお、なのはの中では先程のやり取りは無かった事にしており、他二名もそれに関してはとりあえず暗黙の了解を決めた。そんな彼女をジャンゴは生暖かい眼差しで見守り、それに気づきながらもなのはは目に見える墓穴を掘る真似はせず、説得を開始する。
「覚えてる? 2年前……ジュエルシード事件。フェイトちゃんやはやてちゃん、そしてサバタさんと初めて出会った全ての始まりの事件。あの事件でフェイトちゃんは自分がクローンだと知りながらも、アリシアちゃんとプレシアさんを受け入れた。その優しくて気高い強さ、私はそんな心を持つフェイトちゃんが大好きだった。あの事件の後も色々あったけど、それでもフェイトちゃんはいつも心に太陽を秘めて、真っ直ぐ飛んでいた。……なのに……今の言葉は何? その機械で歪められた心は何? 黄昏に沈んでしまった太陽は何? フェイトちゃんはそんな……他者の心も見れない人間じゃないっ! そんなの……本当のフェイトちゃんじゃないっ!!」
「利いた風な口を……! 私達の気持ちも知らず自分勝手に戦い続けて、突然死んだくせに今更何を言うッ! 自分の事ばかり考えて、友達の心を見ようともしなかったあなたに……今
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