第一章
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アントリアン＝プク
オルガ＝ニエミネンとロッタ＝ニエミネンは名前からわかる通り姉妹だ、しかも双子である。
双子である為容姿もそっくりだ、二人共髪の毛は金色で肩を覆う位まで伸ばしていて青い目は少し垂れていて少し垂れている。
眉は細く穏やかな顔立ちである。背は一五三センチで高校生だが幼さの残る身体月をしている。
二人はカメンノゴルスクで住んでいて現地の高校に通っているが本当にどちらがどちらか区別がつきにくくてだ。
友人達もだ、よく間違えた。
「あっ、オルガだったのね」
「御免、ロッタだったの」
「ちょっとどっちがどっちかわからなくて」
「何しろ双子だから」
「そっくりで」
それでこう言われることが多い、それで。
双子の方もだ、こう話した。彼女達の間で。
「いや、本当にね」
「私達そっくりね」
「制服を着るとね」
「余計に区別がつかないわね」
「私達でもね」
「どっちがどっちか」
それがというのだ。
「足りないわね」
「まるで鏡合わせみたいよ」
「本当にどっちがどっちか」
「わかるのはお父さんとお母さんだけ」
「お兄ちゃんでも間違えるし」
「兄弟でもね」
二人の兄であるヘルデンでもというのだ、とにかくだ。
二人はそっくりだった、それで兄のヘルデン双子とは違い一八〇を超える長身の彼は髪と目は自分と同じである彼女達に言った。
「どっちがどっちだ？」
「私がオルガよ」
「私がロッテよ」
「右がオルガで左がロッテか？」
こう二人に聞き返した。
「そう思っていいんだな」
「ええ、そうよ」
「今がそうした位置だから」
「顔も背も声もそっくりだからな」
それでというのだ。
「僕でも見分けられないんだよ」
「ずっと一緒にいるのに」
「お兄ちゃんでもなのね」
「見分けつかないのね」
「十六年一緒にいるのに」
ちなみにヘルデンは二十歳だ、地元の大学に通っている。
「どうしてわからないのよ」
「お父さんとお母さんはわかるのに」
「お兄ちゃんはわからないのね」
「親じゃないと」
「というかよくお父さんとお母さんはわかるな」
腕を組んでだ、ヘルデンは二人にこう返した。
「そっちの方が凄いよ」
「やっぱり親だとね」
「そうしたこともわかるのね」
「直感でしょうね」
「それでわかるのね」
「そうだろうな、せめて髪型を少し変えるとかしたら」
それでというのだ。
「わかるんだがな」
「じゃあそうする？」
「そうね」
双子で顔を見合わせて兄の言葉を受けて相談した。
「そうしたらね皆もわかるし」
「お兄ちゃんも学校の皆も」
「どっちがどっちかね」
「区別つくわね」
「本当にそっくり過ぎるからな、せめて着る服
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