暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
終局。
終わりの始まり。 絶望は絶望へ。 ここより先は、『正義』を問う。
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守り、無銘の肉を抉る風も崩壊を始めて爆発して――――――――。
結果を言おう。暗闇真は死んだ。跡形もなくなった右脚の、出血多量と痛みによるショック死だった。神に話させる機会もなく。その戦いはあっさりと終わりを告げた。
静寂が満ちた戦場で、無銘は暗闇真の死体を背負ってどこかへと走り出そうとする。けれど。
「そいつを離せ、無銘」
『闇』がそれを止めた。黒でも無い、漆黒でもない。ただただ黒。純黒によって染まった周りを見渡しながら無銘はそれを見つめた。
「はっ、闇神が何の用だ。神の従者が殺されたから復讐でもしに来たか?お前では、私はお前に勝てないがあくまで勝てないだけだ。私の体術は、強ければ強いほど威力を発揮する。それに私の体質だ。少なくとも通常の『転生者』よりも、存在そのものが異能と言える貴様には、相当の痛打を与えてみせるが?」
「知ったことか。それにお前、中に一体何人いる?ただ一人の気配じゃないだろう。お前の中に感じた魂の中に、『一文字隼人』を感じた。いや、異世界の一文字・・・・・・『ハヤト』の。だからお前はライダーキックに対抗するとき、力の構えを取ったんだろう?」
「良くわかるな?そう私は確かに無銘であって無銘じゃない。青空雪と呼ばれる存在の救済のため、『全てが終わった後の』無銘自身が中核となって、自身の集大成としての一時的な肉体を完成させ、『青空雪』と同じく、無名のまま死に絶えて逝った『正義の味方』の思念を宿したものだ」
「だからこそ、そいつを離せ。そいつは足手纏いになる。俺が出来る限りのことをする、だから・・・・・・だからユキを救ってくれ。俺が知っている限りのことを話す、だから・・・・・・」
「私に言われても困る。『彼』に許可を求めねばな」
「彼?」
「全てが終わった後の私の友だよ」
その言葉に呼応して、別の言葉が二人の脳裏へと響き渡る。
『別に問題はないよ。けれど、今すぐそこから引いてくれ、今、『暗闇真』を転生させた神の消息が不明になった!誰に襲われたと思う?』
「まさか・・・・・・!急いで退く。『闇神』、ついて来い!」
「おい、誰が来るって!?」
空間が、まるで紙の外側から燃やされていくかのように、真っ黒な炎が純黒の世界を燃やし始める。そう、その神格こそは、闇神と祀り上げられるダークよりも遥かに高位であり、遥かに上位である存在。
「ヒメノ君・・・・・・アマテラスだ!」
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