第7話『部活動紹介』
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れに似ている気がする。
俺はそのことから、魔術部に少し興味を覚えた。
だが、問題はそこではない。問題は、彼らがなぜ魔法陣を展開させたかだ。
これで何も無かったでは部のアピールには繋がらない。恐らく何かトリックでも仕掛けてくるのだろう。
「さぁ皆さん、陣の中心にご注目」
部長らしき彼が部員を率いり、先程の魔法陣をぐるっと囲んだ。まるで何かの儀式が始まるかのような進行である。
と、不意にステージ…いや体育館全体の照明が落とされる。少々びっくりしながらも、「てことは発光するのか?」と俺は勝手に予想を立てていた。
魔術部って、つまりはマジック部だったりするのかな?
「では始めますよ。今から5秒数えます。数え終わると変化が起こります。皆さんはその変化を見てどう思うでしょうね?」
部長らしき人はそう言った。自信に満ち溢れているのが伝わってくる。ちょっとワクワクしてきた。
「5…4…3…2…」
カウントダウンが始まった。それに合わせて俺の鼓動は早くなっていく。
「1……、ゼロ」
ドォォォォン
「なっ!!!?」
「「「「うわぁぁぁ!!!」」」」
体育館は突如ステージから放たれる黒い煙と衝撃波に席巻された。強風のような勢いにたまらず飛ばされそうになるが、なんとか耐える。
元々暗かったこともあってか、周りの様子が一切確認できない。原因は間違いなく魔術部。原理は…不明。
「・・・皆さん、落ち着いてください」
断末魔がいまだに響く中、司会の声が聞こえたと同時に目の前が明るく開けてきた。
どうやら窓を開け換気して煙を外に出し、更には照明をつけたようだ。
でも、この状況で落ち着くのは無理がないか?
でも良かった、と思い前を見直した俺に目を疑うような光景が映った。
「……は?」
俺が呟いたと同時に部長らしき人が話し始めた。
「ふふふ。皆さん、何が起こったのかわかりましたか?」
嘘だろ? 何で…?
状況だけは理解できる。だが、原理が非現実的すぎる…。
「少し貸してもらったよ」
途端、部長らしき人が不思議な発言をする。
だが皆は意味がわかるはずだ。もちろん俺も。
だってこの言葉は"俺に向けられている"のだから。
この場に居る誰もが声を発さず、ただ呆然とステージを注視する。
ステージの魔法陣の中心に現れたものは・・・俺だった。
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