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宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第一部
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じゅう
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ブ)きな小鬼(ゴブリン)の死体が転がっていました。……この時点で、半数近い(ホブ)きな小鬼(ゴブリン)は排除されていたことになります」

 されていた、ね。
 いまここでそれを言っているということは、彼女は既に、それを行ったのが私であると確信をしているのだろう。
 確かに、証拠の隠滅も行ってなければ、光学迷彩機能(クローキングデバイス)の有用性も彼女には知れている。何よりもあの場で、彼女は何かがいる、と勘づいていたのだ。
 先の亜人族(デミ・ヒューマン)の在り方を聞くに、私が彼女、もしくは人族(ヒューマン)に対して友好的な存在であるのかを確かめている、といったところか。

「我々よりも先に、何らかの理由で訪れた冒険者や傭兵の手によるモノかと最初は思いましたが……。巣内においても、死体がありました。内外、(ホブ)きな小鬼(ゴブリン)の死体に共通していることは、全て頭部が綺麗に無くなっている、ということです。死体の側に頭部も見付からないことから、切り落とされた後に持ち帰られたか、吹き飛ばしたか。私は後者であると考えていますが」
「……頭部だけを喰らった可能性もあるんじゃないか?」
「それはあり得ません」

 私の言葉は即座に否定されるが、元々それで納得してもらおうなどとは思ってもいない。私が言ったのは、ただの言葉遊びだ。

「理由を聞いても?」
「第一に、その様な魔物は聞いたことがありません。第二に、首から下の断面です。鋭い刃物で斬ったような滑らかな断面ではなく、何か……そうですね。爆発的な力を持って、それこそ吹き飛ばされたと言う他ありません」

 よく見てますね……。

「それに、捕らえられていた女性達は無傷でしたから」

 そう言って彼女は目を伏せる。

 騎士とはいえ、女性であることには変わりない。それを考えれば、寒々しく薄汚い檻に入れられ、いつ自身の番かと戦々恐々としていたであろう女性達に、想うところもあるだろう。

――無傷でしたから。

 その言葉尻をそのまま捉えられるほど、楽観的でもなければ、お子様でもない。

 女性の尊厳を踏みにじるような行為を思えば、男の私だって憤りを覚えるのだ。彼女はその比ではないだろう。

 ふと、洞窟内で、私が胸を貫いた瞬間の情景が浮かぶ。

……良くないな。

 こういうとき、つくづく前世での感覚が残っているのが悔やまれる。
 ヘルメットで表情が見えないのは、こういったときには都合が良い。というか、色々な意味で人前に出せないなこの顔は。

「彼女達は、無事に元の村や町へ戻ることができました」

 そう言った彼女は寂しげに笑う。

「1人だけ、亡くなられた方がいました。胸の傷を見なければ、寝ているような、そんな……穏やかな表情でした」

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