暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第17話?木ノ芽風と花風
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トルとは違うの?」
「うん。意思がある人間と意思がないモンスターだと、やっぱりちょっと違うかな」
?何と説明したらいいやら、と考えていると、さっきの僕の説明を聞いてソラが頭を左右に捻ったあと、
「わかんないっ!」と叫ぶように言った。そりゃそうだ。
「実際にやってみた方が早いかもね。今からやってみる?」
「うん!?やってみたい!」
?まだそんなに暗くはないし、少しレクチャーするだけだから大丈夫だろう。
?そう思いながら、辺りを見渡す。夕方は魚が空腹の時間なのか、釣竿を持ったプレイヤーがちらほらといる。ここで闘うと大胆なPK行為だと誤解されそうだ。
「ちょっとあそこの森のなかでしてみようか」
「うん!」
?二人して森のなか――正確には、木がたくさん生えているなか――に移動する。そして、お互いに武器を抜いた。すると、ソラの緊張が手に取るように伝わってきた。
?この時点でソラも気づいたのだろう。プレイヤーとモンスターとの違いに。それは明確な敵意があるのか、ないのかだ。
?ただのデータの塊でしかないモンスターは、感情というものがない。だが、プレイヤーにははっきりとした意思が、感情がある。こいつを倒す、といった気迫のようなものがダイレクトに来る。だから、デュエルでは、どれだけ武器を振れるかではなく、プレイヤーの敵意を受け止めるところからはじまるのだ。
?今のソラは、明らかに焦っていた。僕も本気とは言えないが、確かな雰囲気を放っている。
?ちょっと、やり過ぎちゃったかな。
?そう思ってカタナを下ろそうとした。

?――だが、それは叶わなかった。

?それどころか、カタナを思いきり振ることになった。硬質な音が木々のなかで響き、左手には確かな手応えが伝わる。
?何故ならば――
「――――ッ!?」
?僕の背後から突如現れた人影が、僕を明確な敵意を持って襲ってきたからだ。
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