第14話 今自分がすべきこと
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く老人、僅か数十分後には山頂あたりまで来てしまった。
「流石にこの年には答えるわい、さてと……」
山頂まで上がった老人が目を凝らすとそこには嘗て建物であっただろう瓦礫の山があった。
「これは酷いの、まるで災害後のようじゃ」
老人は意識を集中させて辺りを捜索した、雪の中に埋もれていないか入念に探したがあの子が言っていた子供は見つからなかった。
「ふむ、死体もないし微かに匂うこの匂い…これは重火器の火薬……それにあそこだけ不自然に雪が陥没しているのう」
この吹雪の中一部だけ雪の段差が違う場所があるのを見つけた。あの幅は軍などで使われている飛行船でついたものだろう、だとすれば……
「何者かがここに来た…ということかの」
この吹雪は三日前から吹いている。そんな悪天候にあの子が言っていた子供が一人でこの断崖絶壁を降りれるとは到底思えない、そして死体も確認できないとすればその子供はここに来た何者かに連れて行かれた可能性がある。
「吹雪が強くなってきたの、これ以上は何もなさそうじゃし小屋に戻るか。あの子が聞いたらガッカリするじゃろうな……」
約束を果たせなかった事に罪悪感を感じながら老人はその場を後にした。
「レン……」
一方小屋に残されたリィンは唯々老人の帰りを待っていた。時が過ぎていく度に不安が募っていく、自分を慕ってくれた小さき少女の無事を祈り続けるも心が張り裂けてしまいそうだった。
そして更に時間が過ぎていく中、誰かが小屋に入ってきた。
「戻ったぞ」
戻ってきたのは老人だった、直に視線をその隣や後ろに移すがリィンが求めていた人物の姿がなかった。
「すまない、お前さんの言っていた子は見つからなかった」
リィンの視線を見て察した老人は本当にすまなそうにそう言った。リィンはガクンッと膝から崩れ落ちてしまった。
「どうして……」
「ん?」
「どうして見つけてくれなかったんですか!約束したのに…見つけてくるって約束したのに!!」
「……すまない」
「嘘つきですよ、貴方は!こんな事なら希望を抱かせないで欲しかった!」
「……」
「嘘つきです…嘘つき…」
リィンは我儘な子供みたいに泣き叫ぶ事しかできなかった。
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ーーー
side:リィン
「………」
心にポッカリと大きな穴が開いたような感覚が胸に広がり何もする気がなくなってしまった。守ると誓ったレンは行方不明になってしまった。
「僕のせいだ、僕がしっかりして
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