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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。
ドラゴンに挑戦
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 魔力で押し切ってしまったと僕が告げると、彼は驚いているようだった。
 異世界人だから当然かと思っていたけれど今の反応では、

「僕の魔力は、“普通”の異世界人の物よりも強いのですか?」
「我が友人にもいたがそこまでではなかった。彼の力を基準に、その“ニートナ備忘録”を作ったからね」
「もしや三回まで失敗okなのも?」
「そう、彼を基準にして作ったのだ。だがまさか、技巧0点で倒されてしまうとは……」

 呻くように言われてしまい、僕はどうしてそんなに魔力が強いのだろうと思う。
 偶然にしては、奇妙に思える。と、

「確か今の時代は、君の世界には魔法使いはほとんどいないのかな?」
「ほとんどというか魔法なんて“存在しない”と思われている世界です」
「それほどまで……そしてそれくらいに魔法使いが少なくなってしまったという事か。……もしかしたなら、魔法使いが少なくなった影響で、君の魔力は以前の異世界人よりも大きくなってしまっているのかもしれない」

 そんな風に言われても、僕にはよく分からない。
 だって僕が魔法を使えるようになったのはこの世界で初めてだから不思議には変わりない。
 そう僕が思っているとそこで、

「そうだ、折角だから今からその魔道書の試練、ここに眠るドラゴンに挑戦してみてくれないか? それを見ることで君の中の魔力をある程度推定できるかもしれない」
「なるほど、では……」
「それに、君の力を見たいから、そうだね……“ニートナ備忘録”の魔法は使わないようにしてもらえないだろうか」
「……でもそうすると魔法技巧が0点に」
「倒せば点数は達するように設定してある、そんなわけで今回はお休み……ふおおおおお」

 そこで、“ニートナ備忘録”が壁に体当たりし始めた。
 自分を使わないのが許せないらしい。
 そんな“ニートナ備忘録”をひっぱって僕は、傍で話を聞いていたレイア達に、

「とりあえず、ここにいるドラゴンを倒して見て欲しいらしい。ぼくのちからが知りたいみたいだ」

 そう告げたのだった。






 天井があわくピンク色に光る。
 それを追って行くことで、ドラゴンの眠る場所に辿り着くそうだ。
 そちらに向かっている最中、吸血鬼なエイダが、

「く、その魔道書の魔法が見れなかったなんて。何でそんな……」
「僕の力を知りたいらしい。そしてどんな魔法でもいいんだった」
「……魔法を知らない颯太に聞いてどうするのよ」
「僕の想像力が試されているらしい」

 まさかこんな場所で、そんな風に言われてしまうとは思わなかった。
 そもそもドラゴンとは僕の想像するそれでいいのだろうか?
 不安になってきた。と、レイアに、

「颯太、不安そうですが大丈夫ですか?」

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