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【仮題】黒翼騎士の英雄譚
第00話:プロローグ
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に、諸君らの力を借りたい。』

『虐げられ、踏み潰され、今まさに殺されんとしている君ら、一時同胞だった者たちよ。』

『諸君らは敗北者として生まれ、敗北者として死に続ける。その運命を呪うのならば、私のもとに来るがいい。』


 才能だけが全てじゃないと証明する。僕の憧れた存在に、僕が届くと証明する。
 もし、それが出来たならば――

 それは、なんて素晴らしいことなんだろうか。

 努力もしてきた。一刀修羅という裏技の様なものも身に付けた。
 だけど、それでも世の中の理不尽を前にしては意味が無かったのだ。


『百度繰り返して勝てぬのならば、千度繰り返し戦えばよい。千度繰り返して勝てぬのならば、万度繰り返し戦えばよい。』

『未来永劫、永遠に、勝つまで戦い続けることを誓えばよい。』

『それが出来るというのならば、諸君らが"術"の一部となることを許可しよう。』

『永劫に勝つために。』

『獣のたてがみ――その一本一本が、諸君らの血肉で編まれることを祝福しよう。』


 勝ちたい。
 運命などというものに縛られず、世の中の不条理に屈せず、真に己の才能と努力の結果()で勝ちたい。

「僕は...」


『今はまだ私も君らも、そして彼も・・・忌々しい環の内ではあるものの。これから先、ここでの"選択"が真に意味あるものであったと思えるように』

『いつかまたこの無限に続く環を壊せるように』

『さあ、どうする。諸君ら、この時代の敗北者たちよ。』

『私に答えを聞かせてくれ。』



「僕は...勝ちたいっ!!」



『よろしい。黒鉄一輝、君の願い、確かに聞き届けた。』


 一輝が最後に見た影法師は、まるで蛇の様な男だった。




 そして、この日を境に黒鉄一輝は一年間の休学届けを提出し、行方不明となった。


 そして、一年後。
 学園に戻ってきた彼を中心に、世界は動きだす。


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