暁 〜小説投稿サイト〜
逆襲のアムロ
31話 奇蹟 3.6
[10/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
から12時間後の事だった。


*  ア・バオア・クー宙域 3.6

シロッコはドゴス・ギアの艦橋にて、ア・バオア・クーの解体の指揮を取っていた。
その傍にメシアが立っている。そのメシアの雰囲気の変化にシロッコは感じ取った。

「・・・メシア。何か面白いことでも見つけたのか?」

シロッコは悪戯っぽくメシアに問いかけた。しかしメシアの黒いマスクの奥の表情は伺い知ることはできなかった。

「君はまだ抵抗するようだな。私の及ぶ範囲では君の力を支配させてもらう。及ばないところで何の力にもならない」

「・・・」

「ララア・スンの情報を見たとき、私は胸が弾んだ。私を凌駕するほどの才能だ。君は世界を動かすことができる。君が頂点に立ち、人類を導いて欲しい」

「・・・」

「と、思いきや、君にはまるで野心がない。先導する上でのね。君のような才能は援助者でいることが私が許さん。君の才能を持って、私が責任をもって、人類の覚醒を導こう」

「(・・・驕りが過ぎます、シロッコさん。貴方の才能持ってしても世界は変えられるはずです)」

シロッコはどこからともなく聞こえた声に目を丸くした。

「成程・・・。洗脳時に全てを取り込むことができなかったらしい。私を買いかぶってもらっては困る。私の才能が世界を揺るがすことはできても、変えるには程遠い・・・。時代の変革者は君のような女性が務めるべきなのだよ」

メシアはシロッコの話に微動だにしなかった。ただシロッコはメシアの外に逃げたわずかな精神に語り掛けるようだった。

「さて、そろそろ時代を動かそうか。君にはあのサイコガンダムを上を行くガンダムに乗ってもらう。フルサイコフレーム構造だ。時代の再生には相応しい」

「・・・」

「ティターンズの主力が全コロニーを威嚇し、エゥーゴ、カラバらと総力戦。その間に3方からの隕石落とし。どれもが保険だ。地上ではエルランが連邦本部を制圧するだろう」

そう、全ては完璧なのだ。全てを清算し、やり直す。シロッコはそれでも確信に至れない。
何かが不安なのだ。シロッコはあくまで再生を意識している。しかし、この世のどこかに本当の終焉を望む者の気配が拭い切れない。

「(一抹以上の不安を感じさせるとは。この世は私の想像の上をいく。派手な動きを見せないことにはその本性も明らかにならない・・・)」

シロッコは結果どうであれ、その正体をさらけ出させることに躍起と焦りを感じていた。もし、自分の行動もその者の範疇にあるならば・・・。

シロッコの背筋に汗が一筋垂れた。

「・・・果てしない。時流というものが<そのもの>だと思うと、何という奇蹟だ」

シロッコは自分が今振り向く、その行動ですら自分を不安にするものの予測の中のような
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ