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SAO−銀ノ月−
第百五話
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「……えー、そんな訳で。水泳の授業を始めます」

「はい!」

「はい先生!」

 先のシャムロックと俺たちによる合同攻略により、新たにアインクラッド第二十二層が解放された。キリトたちは速やかに、二週間程度ではあるがSAO時代に住んでいた、湖畔のログハウスを一括で購入することに成功。今は家族団欒の生活をしていることだろう。

 そしてこの浮遊城の新たな層である、第二十三層を守るフロアボスの居所を救いながら、新たなフィールドをプレイヤーたちは探索し始めていた。シャムロックやサラマンダー領、シルフ領にケットシー領などは、黒鉄宮に自らの名前を刻まんと競い合っている。とはいえドロドロしたものではなく、あくまでスポーツのような競争だ。

 そんな新たなフィールドの探索は、もちろんギルドでもない俺たちも行っている。見たことのない新たなフィールドの冒険は、かつてのデスゲームでは体験する余裕はなかったが、今の俺にもその楽しさは分かる。もちろん学校や諸々の用事が終われば、今日もこの妖精境を訪れていた。訪れていた、のだが……

 ……何故か俺は今こうして、少女二人を前に水着姿となっていた。

「……どうしてこうなった」

 アインクラッド第四層――別名《水の都》とも言えるその場所に、俺の呟いた言葉が放たれていったが……誰も答えてくれる者はなく。代わりに俺と同じく水着姿に扮した、ユウキとセブンがじゃれあっていたが。

 ……ともかくこの層は、全面に水路が施設されており、移動のためにはゴンドラの制作が必要不可欠で、ここは随分苦労した――とキリトは語っていたが、あいにくと今の俺たちには翼がある。不信げなキリトから人気やモンスターの少ない場所を聞き出し、俺たち三人はここにいた。

 もちろん目的は、二人に泳ぎを教えるためである。

 VR研究家として、水という特異な空間を体験しなくてはならない――と熱く語るセブンと、ついでに泳ぎたくなりたいユウキに、熱心にコーチ役を頼まれてしまい。出来るだけ他人に知られたくない、という二人の懇願もあり、秘密の練習として俺たち三人だけでここにいた。……セブンがギルドリーダーを務める、シャムロックの皆様を撒きながら。

「……でもやっぱりいいわね。この水着。撮影に使いたいくらい」

「……気に入っていただいたなら何より、だ」

 泳ぎの練習ということでもちろん水着であり、俺とユウキは件の水着コンテストで使った水着を持っていたが、セブンはこの日のために新たに用意していた。そんな身につけたワンピース型の水着を、アイドルらしくクルクルと回って楽しんでいた。……こちらから見ると、セブンの普段着であるステージ衣装も似たような感じなのだが。

「でもいい針師の方知ってるのね。何だか意外だわ」

「まあ……
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