第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
シノ
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
である。その臭いが嗅げるのは同種のオスだけだ。チャクラ糸から這ってくる蟲を振り払って油断したカンクロウは、臭いに惹かれて背後から迫る蟲に気づけなかった。
毒が全身に回ってきた。蟲に這い寄られたカンクロウが樹上で倒れている。キバが傍に下された。二人ともどうやらサスケとチョウジ、シカマルとサクラの援護に回ることは無理なようだと、心の中で詫びながらシノもばたりと力を抜いた。
+
「――我愛羅!? どこへ行く!」
我愛羅は苦しみながらも、迷わずにサスケよりもう二つの影を選んだ。サスケよりももっと強いチャクラを纏った二つの影。一つは自分よりも更に莫大なチャクラを秘めている。
暫くあっけに取られていたテマリは追うかどうか迷った後、まずは目の前のサスケを始末することに決めた。
「チッ……食らえ、カマイタチ!」
扇子で呼び起こした風がサスケに襲い掛かる。跳躍したサスケがそれを回避し、カマイタチは周囲の木々を一斉になぎ倒した。それによって森の中に大きな空き地が生まれる。
我愛羅を早く追いかけたいサスケとしては厄介だ。ち、と舌打ちをこぼしたその時、起爆札をつけたクナイが二つ、立て続けに空き地の真ん中に突き刺さった。爆発したそこに二つの穴が開く。すんでのところでそれを回避したテマリの視線が樹上に向く。
「テメエの相手はこの俺だ。女が相手ってえのはめんどくせえが――任務でめんどくせえもくそも言ってらんねえだろ。それに本戦でのお前の相手は俺だったんだし。っと」
飛び降りてきたシカマルにサスケが目を見開く。す、とシカマルは後ろを指差した。押し殺した声で告げる。
「ナルトもこっちに向かってるはずだし、サクラとチョウジも直ぐ来るはずだ。こいつは俺が食い止める」
言いながらシカマルは、先ほど二人の一般人の死体を前に泣いていたチョウジと、そんな精神状態のチョウジを放っておけないといったサクラを思い返した。早くサスケのところに来たくてたまらないという表情ではあったがぐっと堪えたサクラの目の奥に、両手を真っ赤に染めたいのの姿を見つけたような気がした。そしてほぼ本能的に思ったのだ、サクラも自分と同じようにいののことを考えているのだと。
だがあの二人も直ぐ来るはずだという確信はあったし、シノがカンクロウと戦う為に残る前、ナルトを見つけたと伝えてくれた。その情報に間違いが無いなら。きっとナルトはこっちに向かっているはずなのである。
「俺じゃあ我愛羅に勝てる確立はゼロだが……お前とナルトには出来る。行け! サスケ!」
サスケが頷き、そして走り出した。それを追おうとするテマリの方に向かって起爆札つきのクナイを三つ投擲する。こちらに注意を向かせられたテマリが腹立たしげに風を起こしてそれを払った。内二本が木を爆破し、も
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ