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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十四話 裏腹
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 雨のように絶え間なく降り注ぎ、狙った全てを斬っていく逢沢 柚那の戦技――――、

「――――風時雨(かざしぐれ)

 円舞・風時雨。

 風月輪なしで使用できる戦技の一つ。

 柚那が風月輪と出会う前から覚えていた技の一つで、魔法陣と言う魔法を発動する上で必須の、そして魔法を発動させるほどの絶対的存在故の強固さを利用し、風月輪と同じ投擲武器として扱うことで同じ刃物にすることができる技。

 幼い頃から魔法を行使できた柚那は、黒鐘がいなくなった頃から自分に合う魔法をいくつも編み出していた。

 そのなかで『投擲』と言うのが何より自分に合うものだと見出し、風月輪と契約を結んだ。

 これが逢沢 柚那が風月輪を手にする最大の理由。

 剣や刀ではどうしたって男のほうが強くなる。

 さらに柚那には小伊坂 黒鐘と言う倒すべき相手がいる。

 剣や刀で劣るのであれば、素直に別の道で戦えばいい。

 接近戦もでき、遠距離でも戦える、柚那だけの戦い方を見つければいい。

 そしてたどり着いたのが、風月輪――――チャクラムと呼ばれる種類の投擲武器だった。

 全ては、彼を超えるため――――。

「行くよ、風月輪!」

 巨木から抜けだし、手元に戻った風月輪に魔力を込める。

 再び発生した竜巻の防壁により、柚那に迫る全てのものは斬り裂かれていく。

 だが、今度の柚那は行動を起こした。

 前へ、巨木へ向かって突撃を仕掛けたのだ。

 全身を魔力で強化し、加速をつけた柚那は迫る枝を回避又は風月輪で斬り裂きながら突き進む。

 迫れば迫るほど力と数が増える枝を相手に、柚那は考える。

(近づけば近づくほど強くなるのは厄介だけど、どのみち枝を斬り続けてもジリ貧になるだけなら、やることは変わらない!)

 距離を取ると放たれる枝の力や数が減ると言う特徴に気づいた柚那だが、枝を相手にしても意味はなく、そして柚那の投擲もまた距離が伸びれば結局減速をしてしまうため、こうして接近戦に切り替える行為は間違ってないと判断した。

 本来であればもう一人、接近戦に特化した人がいれば投擲によるサポートができたのだが――――。

 そう思って脳裏を過るのは、姉の雪鳴。

 そして――――小伊坂 黒鐘。

(――――って、なんでアイツが出てくるの!?)

 ふと脳裏を過ぎってしまった彼の笑顔を振り払い、怒りそのまま巨木に到達する。

 すると露出している根っこに青い宝石が三つ落ちており、そこから放たれる光が血液のように木に流れ込んでいた。

「これが、ロストロギア……」

 親指と人差し指で測れるほどの小さな宝石。

 たったそれだけの宝石三つで巨大な木を生み出したと言うこ
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