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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic1-C移ろいゆく季節〜Sie ist ein Ritter〜
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って、扉が開く。完全に扉が開き切る前にダッシュして飛び出す。エレベーターホールを突っ切って、廊下に出ようとした時・・・

「おや? イリス! イリスじゃないか!」

「?? あ、ロッサ・・・!」

古くからの知人であるヴェロッサ・アコースが、ものっすごい笑顔になってわたしの名前を呼んだ。エレベーターホールとその先のオフィス区画へと繋がる廊下、その境目の両側に設けられてる休憩スペースの一画に、ロッサが居た。ロッサも内務調査部の査察課に所属する査察官だ。でも服装は局の制服じゃなくて自前のフォーマルスーツ。

「なかなかザンクト・オルフェンに帰って来ないじゃないか!」

「わっ!? もう! 人目のあるところで抱き付かないでよぉ〜! むぅ〜!」

ロッサがわたしをハグしながら頭を撫でてきた。休憩スペースにはロッサのようにスーツ姿の男女の局員や、制服姿の男女の局員が居て、わたしとロッサの様子を微笑ましく眺めてる。

「もう、もう! わたし、13歳になったんだよ! 恥ずかしいからや〜め〜て〜よ〜!」

「あはは! いいじゃないか! 知らない仲じゃないんだ、恥ずかしがることないだろ?」

ロッサとは物心つく前からの知り合いと言うか友達だから、以前までは抱きつかれても大して気にも留めなかったけど、今はもう多感な時期なんだからあんまりくっ付かないでほしい。あ、でもルシルなら許すけどね。

「ダ〜メ! 今日から無暗矢鱈に過剰なスキンシップするの禁止! わたし、いつまでも子供じゃないんだよ。心身ともに成長してレディになってくんだから、それなりに気を遣ってほしいの!」

プンスカ怒りながらロッサの胸を両手で叩くと、「はいはい♪」ロッサはあくまでわたしを子供扱いしたいみたいで、わたしを解放した後も頭を撫でてくる。もぅ・・・。

「しかしイリス。こんな上層階に何の用だい? ここから先のフロアは尉官以上の局員か特定の役職に就いてないと入れないよ?」

「判ってる。ちょっと人を捜しに来たの。ルシルなんだけど、ミッドからオフィスに戻って来てるって聞いたから・・・」

「ルシル? 僕は今日はずっと査察課のオフィスに居たけど、彼を見掛けていないなぁ〜」

「ということは、監察課か監査課のどっちか・・・?」

小首を傾げてると、ロッサとさっきまで話してたらしい50歳くらいの男性局員(階級章からして三佐だ)が「ルシリオンは監査課には来ていないぞ」そう教えてくれた。

「そうなんですか? ブラウン監査官」

「うむ」

「それじゃあ監察課・・・?」

「少し待っていなさい、お嬢さん。おーい、デヴィット!」

ブラウン監査官が反対側の休憩スペースでお茶を嗜んでる、同様に50歳くらいのおじさん局員――デヴィットさんを呼んだ
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