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Eipic1-C移ろいゆく季節〜Sie ist ein Ritter〜
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†††Sideイリス†††

「ルシルに逢える・・・!」

本局の廊下をひたすら走る。

「ルシルに逢える・・・!」

目指すのは、内務調査部のオフィス。

「待ってろよぉ〜・・・!」

目的は、ルシルと顔を直接合わせること。ルシルがはやての家、ひいては海鳴市から出て本局の局員寮に入ってから1年。しかも聖祥中学校への進学も取りやめ、正局員に昇格したことで本格的に仕事量が跳ね上がった。
その所為でわたしやはやて達はみんな、ルシルと直接顔を合わせる時間が急激に少なくなった。しかも本籍が内務調査部に移ったこともあり、特別技能捜査課のオフィスに来ることも少なくなったから、わたしなんて全然逢えてない。

(だけど今! ルシルは内務調査部のオフィスに居る! このチャンスを逃したら、次いつ逢えるのか判んない!)

そういうわけで、わたしは全力でルシルの元へと走っているわけなのです。そんな急いでる最中に「イリス!」呼び止められた。どこの誰、このトンデモなく忙しいわたしを呼び止めちゃう愚か者は?って、超絶不機嫌になる。

「あ゛ぁ?」

相手を誰とも確認せずにやっていい返事じゃないけど、それほどまでに今のわたしは急いでいるの。解ってよ、もう。んで、わたしを呼び止めてたのは「こわい・・・」って若干引いてる、わたしやルミナ、カローラ姉妹のように管理局と聖王教会騎士団の両方に籍を置く、二足の草鞋騎士の1人の「クラリス・・・?」だった。

「そんなにイラついてどうしたの? あ、あー、ひょっとしてあの日? 私もキツイ日はついイライラしちゃ――」

真っ白なセミロングの髪をいじりながら、恥じらいつつもそんなアホなことを言い出すクラリスに「ちがーう!」全力で否定する。クラリスの口を両手で塞いで「発言するなら場所を考えて!」注意する。周囲には男性局員だって居るんだから。恥ずかしそうにするんなら、少しは場所を考えてほしいよ、まったく。

「ぷはっ。・・・ジョーク、ジョーク、ガールズジョーク♪」

「あの日をジョークにするような奴は同性であろうと許さん」

「許さんって。呼び止めたのが私じゃなかったらどうしてたの? たとえば上官とか目上の人だったりとかしたら。それこそイリスの方が許されなかったよ?」

「その時はひたすら頭を下げて謝るよ」

そう苦笑してると「ところでイリス」クラリスが話題を変えた。急いでいる中でこれ以上は留まってられない。というわけで「話はまた後で!」踵を返し、そして走り去ろうとしたんだけど、「来週の昇格試験!」その前に話の内容を聞いちゃった。足を止めて、クラリスへと向き直る。

「イリスも出るよね・・・? 約束したから・・・出るんだよね・・・」

クラリスの言う昇格試験は、管理局内でのものじゃない。
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