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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第229話 心の悲鳴
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耳から離れない不快な……
不協和音
(
ノイズ
)
として、玲奈の頭に蔓延り続けたのだった。
そんな間にも、明日奈と京子の問答は続いていた。
もう、玲奈には伝えたかった事全て話しきった、と言わんばかりに そこから出てくるのは明日奈の名前ばかりだった。
いや、もう玲奈の頭には、膨大な
不協和音
(
ノイズ
)
が蔓延っており、まるで訊き取る事が出来なくなってしまった。
そして、明日奈もそんな玲奈の事に少なからず気づきつつも、自分の事だけで精一杯だったから、気にかける事が出来なかった。
「人の生き方は、自分で選びとっていくものでしょう? わたしも昔は、良い大学に入って、就職をする事が、人生の全てだって思ってた。でも、わたしは、……わたし
達
(
・
)
は変わったの。今はまだ、答えが出せないけど、本当にやりたい事が見つかりそうなのよ。今の学校にあと1年通って、それを見つけたいの」
「自分で選択肢を狭めても仕方ないでしょう。あんなところに何年通っても、なんの道も開けないわ。でも、編入先の学校は違うわよ。上の大学は一流校だし、そこで良い成績を残せば、お母さんのところの大学院にだって入れるわ。いい、明日奈。お母さんは、あなたに惨めな人生を送って欲しくないの。誰にでも胸を張って誇れるキャリアを築いて欲しいのよ」
京子は、ここでゆっくりと視線を玲奈に向けた。
「人生は何が起こるか判らないわ。だけど、そんな中でも、数少ないチャンス。いえ
、数学的見地から言うなら、0%と言ってもいい幸運を玲奈は掴み取る事が出来た。それも、今まで頑張り続けた結果だとお母さんは信じてるわ。日々の積み重ねの結果が、輝かしいキャリアを築き上げれると言うものなの。明日奈も知っているとおり、玲奈にも才能や能力は十分すぎる程持っている。世界にたった1つ。ナンバーワンでオンリーワンの技術を持っている
彼
(
・
)
の隣に立つ資格は十分に備わっている。申し分ないでしょう。でも、明日奈。あなたはそう言う訳にはいかないの。……努力や才能、そして能力。それらの壁を超える様な
もの
(
・・
)
は早々現れるとは限りません。いや 無いと言っていいわ。あんな学校じゃあ、尚更」
それを訊いて、明日奈は強く思った。
何を想って、何をいわれて、妹が傷ついているのかが、今の母には判らないのだろうか、と。
確かに、素性を知っていたと言うのに……実際に目の当たりにした
彼
(
・
)
が齎す周囲への影響力は圧巻の一言だった。
偏に『周囲』とは言っても、それは簡単に表されるものじゃない。
この世田谷区……、東京都……、日本……。果ては世界。様々な業界の
重鎮
(
トップ
)
たちが名を知っていると言うのだ。そして何よりも絶大な信頼を得ていると言
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