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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第229話 心の悲鳴
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ど、それも違う。自分自身が至らないから。いつもいつも姉の明日奈や、兄の浩一郎の影で甘んじていたツケが、今。自分に向かっている。
家の事も、結城本家の事も、全ては自分の一部なのだから。……それが、闇であったとしても、誰のせいでもない。自分がなんとかしなければならない事だから。
光――と言ってくれたから。
でも、それが出来なかった。 今も甘え続けて。反論したって、変えようとしたって、ただただ、子供の様に怒鳴るだけ。何一つ変えられない。
……リュウキの笑顔を失ってしまうかもしれない。心からの笑顔がなくなってしまうかもしれない。
それが、レイナにとって、何よりも怖く、そして、何よりも辛い事だった。
だから、そんな事になる位なら……。
「隼人くんと……、わ、わかれ………ッ」
それは先程は 出てこなかった言葉を、出す事が……出来た。
でも、その言葉を口にした途端に、暗闇に……一切の光も差さない暗黒に引きずり込まれる感覚がレイナを襲った。
「っ……っっ……」
胸が締め付けられる程に、痛く。それに同調する様に鼓動が高鳴る。
「い、いや………だ」
レイナは、それだけは嫌だった。
リュウキがレイナの事を光だって、形容する様に、レイナにとっても、リュウキはかけがえの無い光。……暖かく身を包んでくれる太陽の様な光だった。自惚れる訳じゃないが、初めてリュウキの過去を打ち明けてくれた相手であり、それを抜きにしたとしても、リュウキに大切に想ってくれている事も、知っている。生半可な覚悟で、訊いた訳でも、支え続けると誓った訳でもないんだ。
だから……そんな自分が何も言わずに、彼の元から離れてしまえば……きっと、心に傷を残してしまうだろう。……判る。リュウキは とても、何よりも優しいから。優しいからこそ。幼少期の事を、決して風化する事なく、何年も抱え続けたんだから。
だから、今の自分の哀しみの全てを、思いの全てを打ち明けて、その全てを抱きしめて貰いたい。
でも、それでも リュウキの事を傷つけてしまう結果になる。
傷つけてしまう事、……それはどうしても嫌だった。耐えられる事じゃなかった。
でも、それでも………。
相反する感情が、レイナの中で渦巻く。
また、明日。そう言ってくれるリュウキが居てくれている。そんな日々が崩れてしまう。どちらを選んでも。……伸ばして、伸ばして、掴んだ未来。光を超えた先、向こう側には 同じ結末が待っている。
「……こわい、こわいよ。……リュウキ、くん…………わ、わたし、どう、したら………」
今、レイナには、そうとしか思えなかった。
それは、甘苦い夢を見る事はなく……、ただただ ゆっく
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