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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第229話 心の悲鳴
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果たした。

 そして、初めて、姉の明日奈と玲奈は同じスタートラインに立ったのだ。
 
 元々、姉だから、兄だから、と贔屓をする様な母親じゃないし、厳しくはあるものの、明日奈と玲奈はいつも求められている物は同じだったんだ。 
 
 だが、今回は何やら不穏な影が見えた気がした。

「玲奈。あなたは大丈夫なの。……あなたはもう、何をすべきか、その道がしっかりと見据えているの。運も実力の内、とは言ったものです。あなたはこれまで頑張ってきたから。あのおかしな世界に囚われてしまった事を刎にして、彼の傍で(・・・・) 見聞を広げて、身に付ける事が出来る事はどんな事でもチャレンジしてみなさい」
「っ……!」

 玲奈は、京子に返す言葉が見つからなかった。

 京子が言っている人物は……、最早言うまでもないだろう。親公認の仲である事を認めてくれていると言う部分に関しては 確かに有難いとは思う。……だけど、この言い方では心から嬉しい、と喜ぶ事が出来なかったのだ。





 また、自分の脳裏に……ノイズの様な物が闇から囁かれる様に、響く感覚がした。





『本当“ザザ”―――羨ましい―“ザザ”――じゃ――“ザザ”』
『超低確率で“ザザザ”―――じゃ“ザザ”――できな“ザザザ”―――だろ?』
『――ラッキー“ブッ……ガガガガ”――肖り“ガ、ガガ”――』






 耳を塞ぎたくても塞げない。目を閉じたくても、無理やりこじ開けられるかの様に、遮る事が出来ない。


 そして この、ノイズは 自らが生んだものだ。
 聞き取りたく無い言葉が、次々に頭の中に流れ込んでくる。その言葉こそが玲奈にとってのノイズ――。





――よくやったもんだよ。たった2年で明らかに階級を飛び越えてるんだから。一生安泰だよな。
――成金、玉の輿って言っちゃ、格好悪い気がするけど。ま、玲奈だし、大丈夫だろ。
――レベルが違うからなぁ。一個人で出来る事なんてたかがしれてる、って考え全部吹き飛ばされたし。そんな相手連れてきたんだから、マジでヤベェって。





 とうとう、拒絶反応を示していたのだが、その合間を縫って、言の葉を直接頭の中に叩き込まれてしまった。言葉の中に、いや 言葉に込められた負の感情が全面に押し出されていた。そして、それらが形を成し、言葉として放たれる。






――自分の力でもない癖に。
――どうやって懐柔したのやら……。
――色仕掛けでもしたってのか?






 決して正面から口に出している訳じゃない。
 暗く見える目の前の人間の表情から、ちょっとした仕草から。……誰もいない所を見計らっての密談から 集められた集合体。

 全く
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