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宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第一部
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常に身をおくその姿勢、流石勇者。我が氏族の誇りだ」みたいなことを所属していた氏族のエルダーに言われたが、誰の目もなく、好き勝手したいだけだ。
 今後飛んでもないことになりそうではあるが、都合がいいので取り合えずは否定しないでおいた。

 皆は“冒険者”というが、私の心情的には“旅行者”である。

 だって男の子だもん。

 ロマンを求めたくなるものじゃない。

 ある程度の危険を打ち払えるだけの力は持っているつもりだ。かといって満身はできないので、そこは慎重にならなければならない。

 さて、次は何処に向けて舵を切ろうか。

 そう思ってホログラフで浮かび上がるウィンドウを操作し、ランダムに宇宙に放った無数の探査ビーコンから届く情報へとウィンドウを切り替える。
 当然、まだ宇宙を漂っているものも数多くある中で、無事に惑星に着いた探査ビーコンの情報に目を通す。



……この星は暑そうだからパス。



……氷が一杯で滑りそうだからパス。



……なんか臭そう。パスで。



 肘掛けに肘をついて拳の上に顎を乗せながら、顔の下半分にある、2対4本の牙をカチカチ鳴らして8ビートを刻んでいるこんな姿のどこに勇者要素があるのだろうか。
 どちらかと言えば、マウスをスクロールさせてエロ動画を探している姿に近い。

……それもある意味勇者だよな。いや、紳士か?

 そんな肉にも血にもならないアホな考えを打ち消すかのように、船体が大きく揺れる。

 何かが物理的にぶつかったような衝撃ではなく、衝撃波に近い。
 探査ビーコンから送られてくる情報ウィンドウはそのままに、船体の異常を確かめるために新しいウィンドウを開いて各部のチェックを行う。

 特に被害を受けた箇所は無さそうだ。一番懸念された動力部に関しても正常に作動している。
 次に船全体を覆っている光学迷彩機能(クローキングデバイス)目を通す。

「出力も安定しているし、解除もされていないと」

 この暗い宇宙空間で、全く姿が映らないこの船を目視で認めることは至難の技だ。エンジンもほとんど音を鳴らさずにいるため、ソナーにも反映されにくい。このステルス性能を看破できる技術力をもつ異星人もいるにはいるが、生息域からは大分外れている。
 それであるならば、この領域に住まう、同じく高い水準の科学技術を持つ存在か。

 警戒レベルを一段階上げ、迎撃用の火器を作動させると同時にセンサービーコンを射出する。合わせてブリッジの防護壁を稼働させ、剥き出しになっている特殊ガラスで覆われたブリッジを保護することも忘れない。

 1分、2分と時間が経過するが、射出したビーコンからの反応はなく、近くに他の船はもとより、目立った漂流物や小惑星も確認
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