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剣士さんとドラクエ[
87話 泉
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。私は相変わらず見難い視界の中、一層酷くなった頭の痛みと戦ってて……それどころじゃない。話してる途中にマホトーンの光は一層強く光ると消えてしまって、もう一度右目の中を確認しても今度は何も無かった。ただどんどん右目が見辛くなってるから、また視力がなくなっていってるのかもしれない。 

 魔法の発展とか、武具の部分的な異常な発達、スロットマシンを抜きにしたら大して文明が進んでいないこの世界、つまり医療は魔法で治せることも多いから大したことないんだ。私の右目が見えないのは原因不明。だから見えてたとしてもなんでかわからない。

「それはそれは。あとで要件を聞こうぞ。ふむ、そちらの高貴な姫は具合が悪そうだが……」
「……姫様?どうかなされたのですか?」
「エルトの兄貴……馬姫様が姫様だと分かったことはいいんでがすか……」
「……そういえばそうだね」

 姫の具合が?私の頭痛なんてどうでもいいよ、どうなされたんだろう。……痛ましい馬の姿でも高貴な立ち振る舞いは健在であられる姫は、いつもと同じようにまっすぐ立っておられるんだけど……実は悪いとか?

 姫は高貴なお方だから、もともとサザンビークにいた高名な方なら見破れてもおかしくないからそこは気にしないでおこうよ。……盲ていらっしゃるように、見えるけど。見えておられるかもしれないだろ。

「おぉ、そちらにも姫がおられる。しかし悪いのは泉の近くの方のほうのようだ」
「……私?私は姫の影となる騎士ですから、違いますよ。姫はそちらの、馬に変えられてしまったお方」
「そうおっしゃるのなら貴女は騎士なのでしょうな……馬?馬とな?この姫が……どれ、少々失礼しますぞ」

 ……この人、(なに)で見ているんだろう。私は確かに貴族の令嬢……みたいな意味なら姫だけど、見た目はそうは見えないはず。人の内面?ミーティア姫の内面が見えるなら納得できる。私が姫なのはわからないけど。性別と職業がわかるとか?うーん、こういう、圧倒的に人生経験の長い人の考えは私にはわからないなぁ……まだまだ若造ってことだよね。前世っぽいの込みにしてもこの人の半分も生きてないだろうし。

「……なんという……。この方は姿を変えられてしまったのか?」

 ……!もしかして。ドルマゲスを倒して姫、陛下、城の呪いは解かなきゃいけないのは決まりきったことにしてもこの人なら呪いの解き方がわかるかもしれない!呪いが解けるならそれに越したことはないよね、おいたわしい姿じゃなくて本来の姿で過ごしていただきたいし、町に入れないなんてこともなくなるし、人だけでも元に戻せればあとはトロデーンの魔物を倒して、茨を刈り取って、それから国際指名手配にドルマゲスをかけて、万全の準備、選りすぐりの人員で捕まえに行って、……ドルマゲスが奪った杖だってトロデーンの
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