82話 胃薬
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とりあえず上薬草並みによく効く胃薬を飲んだからか、わりと体は元気になったよ。血ィ吐きそう、なんて言ったけどここまですぐに収まるなんてすごいよねぇ。それでもなお普段バリバリむしゃむしゃって感じに胃薬を飲むククールの胃って大丈夫なのかな?それってかなりの重症じゃない?うーん、心配だ。エルトも頻度高いし……パーティの健康診断が必要?
慌てて井戸に連れてこられて胃薬を飲まされた私はそこらのベンチに座らされて手持ち無沙汰、みんなはみんなでさっきの怒りの余韻でめいめいイライラ、あまり良い状態じゃない。
さっきね、慌てたククールの小脇に抱えられそうになった私だけど、防具のせいで持ち上がらなかったから結局歩いたのは内緒。体重自体も筋肉があるから重いし、そりゃあ上がらないよ。二百キロの武具を身につけた私だよ?私自身も足して二百……六十?七十?もうちょっとあるかもしれないんだから。
ちなみに私の身長は百六十五ぐらいだからね。幻想抱かれてることがたまにあるみたいだけど女で四十五キロ、とかこの身長じゃなくてもふざけてるの?死ぬよ?馬鹿なの?ガリガリだよ?胸どころかアバラ浮くレベルだから、男で百八十で普通!とか言われたくないでしょ?百五十ならまぁ……不可能じゃないけど!ってレベルだし……筋肉があるなら健全さ。あ、太ってないからね!弁解させてね!
「……うーん、腐りきってたねぇ」
「理解してたけど想像以上だよほんとあの野郎なんなのかな!」
「うんうん、殆ど護衛が倒してる時点で馬鹿じゃないのとは思ってたけど酷いよねぇ。触らなくて正解」
「実行してたらトウカ、とんでもないことなんだから言わないの!」
一周回ってイライラもなく、のんべんだらりとした口調で喋る私に何を思ったのかエルトは必死。殺人なんて滅多なことではしないんだから、安心して欲しいのに。信じてくれたっていいんじゃないの。
自分の命の危険、陛下と姫の危険、そしてみんなの危険に関わってなきゃ手出ししないよ。イライラしたとか、怒ったとか、一応チャゴス王子は私たちに直接危害を加えたわけじゃないんだからクールにならなきゃ。ほら、姫に危害を加えたんだから死んでもいいけどさ。でも姫は怪我してない。って考えなきゃやっていけないよ。
……姫の結婚式は姫の直接的すぎる危機だからね、そういうことだよ。それにここはサザンビーク、逃げられないじゃないか。殺っちゃったとしても逃げれる自信あるけど。殺らないよ?
「私は冷静だよ。ねぇ、ククール」
「今俺にふるのはやめてくれ……」
「そう?じゃあ、ねぇゼシカ」
「貴女の力はとんでもないんだから殺意を秘めて怒りに燃えるのはやめてくれない?」
「おうふ」
なかなか手厳しいようで。みんなだってエルトが身を呈して止めてくれ
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