81話 殺意
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
の羽根を抜き取っていたみたいだ。手の動き、分からなかったんだけど……。それをぐしゃりと粉々に握りつぶし、にこにこと無邪気にしかみえない笑顔を浮かべて、楽しそうにククールに駆け寄った。
「ねぇククール」
「……なんだ?」
ククールはめちゃくちゃ、怯えている。わかる、わかるよ。すごくわかる。さっきまであんなに殺す気満々だった人に駆け寄られたら恐ろしいなんてもんじゃないし。
「胃薬分けてよ」
「は?」
「今ので胃が穴開いたかも」
「はぁ?」
トウカは物凄い笑顔のまま、お腹をぐっと抑えて見せた。
「血ィ吐きそう」
「待て待て待て待て!今渡すから!」
「ベホイミ、でがす……」
トウカ、普段君だってククールの胃にバカスカ穴を開けてるってことを理解した方がいいよ!
かくして胃痛三人持ちの僕らはなんとか事件を起こさずに王子を見送ることが出来たのだった。王子は安らかには死なせない。結婚式は出来る限り正体をバレないようにめちゃくちゃにする、という小声の話し合いは合意したけども。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ