81話 殺意
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……。
「姉貴、兄貴!」
「何かな?」
「なんだい!」
「買い物もいいでがすが、野郎を見つけたでがすよ!早く捕まえやしょう!」
「おっ……ありがとう!みんな、捕獲に行くよ!」
「待ってよトウカ!……うわ気配消して走っていく……」
ヤンガスが見つけた、丘の上にいたらしいチャゴス王子。彼は誰かと話しているように思えたけど……何しているのだろう。バザーは向こうまで広がってて、あそこでも何か売ってるのかな?何はともあれ王子もこの儀式を終わらせたら一人前らしいし、一人前になってからバザーを楽しめばいいんだから連れていくことに異論はないし、僕も後を追いかけよう。
……って、早いんだけど!みんな僕を置いていく……待って!ほんとに待って!ククール、ゼシカ!君たちまで置いていくの!
・・・・
な、なんとか追いついた。トウカたちは何故か王子を捕獲するのではなく、王子や売人らしき人影に気づかれないように隠れていたみたいだ。何で、と聞きたいけどみんな無言で見ているものだから僕もならう。
みんなの視線の先にはあいも変わらずでんと太った王子と、どこか胡散臭い売人らしき人。なにやら……取引かな?こんな人影のないところですることでもないと思うけど、これでも王子だからバザーの邪魔にならないように目立たない考慮、してるとか?……そんな良心ないか。
「へっへっへ……とっておきですよ」
「おお!正しくそれはアルゴンハート!僕が手に入れたものよりずっと大きいではないか!」
「いかがでしょう。裏ルートで手に入れたアルゴンハートは」
「ふっふっふ、買わせてもらおう。これを持ち帰れば僕は認めれてもらえるぞ!なにしろこんなに大きいのだからな!」
……えっと。どういうことかな?理解出来てるんだけど理解出来ない。理解したくないよ。
つ、つまりあの王子は僕らが死闘の末に手に入れた、一応本人もあの場所にいた……一応、いた……アルゴンハートより大きいものを不正に手に入れてそれを提出するつもりってこと、なのかな?あってるよね?理解したくないけどしたよ、あってるよね?
ククールがバギクロスを唱えそうになっているのを腕を思いっきりつねって止めて、ゼシカがメラゾーマを唱えようとしているのを口をハンカチで塞いで止めて……鼻はふさいでないから許して……殴り込みに行こうとしているヤンガスは一応理性があるのか止めなくても大丈夫そうだけど、案外一番暴れそうなトウカが静かだ。剣を抜きそうになってるわけでなし……?嵐の前の静けさとか言わない?
僕?止めてるっていう立場がなかったらもう斬りかかってる。止めてることによって冷静を保ってるだけで、客観視できてるだけで、太陽の鏡がもう手に入ってたら何してたかわからないし。太陽の鏡の方が彼より重いからね
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