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剣士さんとドラクエ[
75話 紅玉
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うな態度に戻った彼は受け取るとぞんざいにそれを見、なんと僕に投げ渡してきた。キャッチは簡単だったけど、なんてことをするんだよこの王子は!

「こんな小さいものより、もっと大きなアルゴンハートの方がぼくにふさわしい!次だ!」

 ……人間ってさ、失望の底ってあるのかな?僕まだ彼に失望できるなんて。ほとんど戦ってない癖に、ほんの一ダメージも与えられない癖によく言うよ……。

 表情のひとつも動かさずに了承したトウカはすぐにくるりと僕らの方にふりかえった。その左目には逆に純粋にも思えるほど楽しげな闘争心が宿っていて、嗚呼始まったぞ、なんて思える。満足するまで……チャゴス王子ではなくトウカが……帰れないな、と。

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