70話 謁見
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
なにはともあれ、時間をとってしまったとはいえ先に本来の目的を達成しないといけない。
ゼシカの手でスカートを履かされかけたトウカが謁見では今までどおりでいるからと震え声で言っていたし……うん。ちょっと見てみたいかもしれないなぁ、トウカのスカート姿。……ものすごい勢いでククール、同意してくるけど君、……そういえば女ったらしだったね。え、辞める?今から変わるって?そう、頑張って。
ともかく、声も元通り変えた状態にして、武器も装備し直して、いつもどおりの勇ましい剣士の姿になったトウカは意気揚揚とサザンビークの城下町を歩く。……いくら見てもその大剣を軽々担ぎ、普段の武器のブン回す様子を知っている僕には女の子には見えなかった。女の子扱いするべきなのかな?例えば、前線に立って守るとか、荷物持ってあげるとか……全部トウカがゼシカにやってあげてないか?それから、宿とか、同じ部屋で……寝てなかったっけ……うわぁ、今度からゼシカと同じか一人部屋にしてあげないと。同じ部屋でも気付かなかったんだから、トウカ……相当、気を張ってたんじゃ……。
「ねぇ、トウカ」
「なんだいゼシカ?」
「後で時間が出来たら……分かってるわよね?」
「……う、うん。でもボク、スカートなんて持ってないよ」
「髪型を変えればズボンでも可愛いわよ。ね、一緒に街に行きましょ?」
「あ、荷物持ちね。任せてね、トン単位で持てるから任せ……」
「違うわよ!」
トウカは……うん。女の子で良かったんだね。これで鈍感な青年だったらいろいろ報われない人が続出するから。……ん?報われないのは別に性別関係ないような……?まぁ、知らないや。頑張ってね。誰がトウカを好きになるか知らないけど。あのお父さんとトウカを倒せる人っているんだろうか。倒す必要はないって?いやいや、あの二人なら言うと思うよ。
「冗談だよ。ゼシカがトン単位で買い物するなんて思ってないさ」
「……そっちじゃないでがす」
「うん?」
……さて、トウカが頭を捻って意味を考え始めたところで、もう考えてても仕方ないし、さっさと行こうか。
「……?」
考え続けるトウカ、わざとやってんじゃないのとも少し考えてしまうのだけど、あの動作であぁやって考え込むトウカが偽物じゃないのは僕が一番分かってて……余計に苦笑いするだけで終わるという、ね。
「トン……単位……バイキルトでいけるか……?」
「ん?ククールどうしたの?力つけたいの?」
「……あぁ」
「じゃあ一緒に筋トレする?楽しいよ!」
「……、今度、頼む」
あれ、ククールなんで泣きそうなの?
・・・・
物怖じはするだけ無駄だと考えるようにしている。特に、貴族の名前を使う時は。……それでも怖いものは怖いし、恐れ多いことだと慄く心
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ