67話 血脈
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!ご機嫌麗しゅう」
「……」
「ライティア、部屋に戻りなさい!『私に従いなさい』!」
「嫌!」
「……厄介な」
なんてことだよ。こいつ、強制力が効かなくなったの?血が弱すぎたら逆に効かなくなるらしいけど、まさにそれでしょこれ……。鎖がスカッと通り抜けたみたいだ。……ってことはコイツじゃないの?叔母上を縛ったのは。それとも……うまいこと縛るのだけをよける能力だけつけた、とか?やめて欲しい……。
「ルゼル様!ご覧あそばせ!新しいドレス、ルゼル様がいらっしゃると思って仕立てましたの……どうでしょう?」
防護能力のかけらもない、露出過多で女の私も目をそらさざるを得ない服に同情するんだけど。半分ぐらい乳出てるけど、それでいいのか?私だったら絶対に嫌だ……足だって丸出し。一応貴族の令嬢だろ?未婚の。そんな売女より酷い格好……おっと失礼、つい本音が。私も結構やばいんだけど、完全に行き遅れてるこいつ、大丈夫か?というかよく叔母上は作るの許したな?にしても酷く甘い花の香水に鼻がやられそうだ……。
「……ルゼルさまぁ……」
「寄るな」
体をくねさせてこっちに寄るな。ほら、エルトとかドン引きしてるだろ……。あと、ククール、目が怖い。君が相手にするタイプじゃないのは分かってるから……。ゼシカのほうがよほど綺麗だ。比べるのもおこがましいほどに。若さすら負けてて、よくもまあ出来るもんだよ。
「まぁ冷たいわ。婚約者の仲ではありませんか」
「……私は慎ましい格好の方が好きだ」
「そうでしたの!では着替えてまいりますね!」
……随分とちょろいね。取り敢えず時間稼いだし、用は済んだからここからもう立ち去ろうかな。いや、それしたら叔母上にあいつ何するかわからないし……叔母上も応戦はできるだろうけど。でも危険な目にあわせたくないし……。
「……おい、状況を説明してくれトウカ」
「うん、分かった。あいつはボクのいとこでね……小さいときに逆恨みで刺されたから会いたくなかったんだけど……。何でか知らないけどルゼル兄上とボクを間違えてるんだよね……それ以上はあんまり知らないかな」
「……兄がいたのか」
「兄上は産まれなかったんだよ……」
「……っ、それは……すまない」
それはククールが気にすることじゃないだろうに。貴族のどろどろは、嫌いだろう?ばりばりの貴族だというのに嫌われてないのは……なんでだろう?らしくないから?
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