65話 日誌
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長かった。本っ当に長かった。サザンビークは本当に、本当に遠かった。リーザス村からポルトリンク?ド二からアスカンタ?アスカンタからパルミド?いやいやいや。あんなの比べものにならないって。あれは朝のお散歩コースだったんだよ。だって、ベルガラックから一週間も移動にかかったんだよ?信じられない!
それにさ、沸いて出てくる魔物だって強さが違いすぎるんだし。もちろん、今の方が力も魔法も強いし耐久力もある奴らばっかり。しかもすばしっこいときたら本当に……どうすればいいか分からなくなってハイになっちゃうね!エルトやゼシカも最後の方はやけになってたし、もともとこんな私だから仕方ない、仕方ない!まだ私の方が早いのだけが救いかな?
それでも私が何回か斬らないと倒れないこともある魔物がたまにいるんだよ?当て方にもよるけど……この前までそんなことなかったのになあ……。もっともっと鍛錬しないと。
サザンビークの高い高い城門を半ば睨みながら、私の頭の中はわりとお気楽だった。……というより、出来るだけ頭から嫌なことを締め出していただけなんだけども。何時までも忘れている訳にもいかないのは、分かってた。でも私のトラウマには違いなかったんだから……。
因縁は、ようやく決着をつける時が来たのだ。ある意味では、呪われたこの血をかけて。
・・・・
旅日誌×日目 記入者エルト 天気快晴、気温高し
ベルガラックからサザンビークに向けて出発する。食料、水共にベルガラックで補給済み。(とても教科書通りの綺麗な字だ)
休憩を五回を挟み、かなりのペースで道を進んだ。途中、ヤンガスが骨を折るほどの怪我を負う。ククールの回復魔法にて即完治。後遺症なし。
夕飯時に火打石一つがトウカによって砕かれた。注意する。ご飯の前でひたすら正座されたので許した。許すしかなかった。悪気はなかったようだ。
朝ご飯は野菜炒めとパン、昼飯はパンと干し肉、夕飯はトウカいわくの「肉じゃが」だが材料不足により単なる肉のスープと化す。そしてパンである。(延々とご飯のメニューについてのレシピが細かい字で書き連ねられているが、作ったのはトウカのようだ)
野宿ではトウカとゼシカが寝ずの番の予定である。聖水節約のための魔法の訓練をしてから就寝した。
旅日誌◯日目 記入者ククール 天気晴れ、蒸し暑い
サザンビークに向けての二日目。(細く綺麗な字だ)
休憩八回はぐらい、ペースは昨日よりは遅め。目立った負傷者はなし。ただし俺の喉は枯れた。
午前、トウカの使っていた盾が粉砕される。魔物に叩きつけて攻撃するからだ、ちっとは考えてくれ……。鱗の盾で代用するも、強度があまりにも足りない。結局何時もどおり盾なしでやるらしいが。午後、エルトの盾が欠けた。鉄製の盾
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