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剣士さんとドラクエ[
63話 魔族
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「レッサーデーモン」。下位魔族とされるそいつはいえなかなかの強敵とされる。そんな赤い不気味な奴らがどうしてか……トウカの周りにやたらと集まっているのだ。集まられた本人はその見た目の気味の悪さか、集まられた数のせいか顔を引きつらせてこっちに助けを求めているのだけど……。囲まれ過ぎて助けに行けない……。

 問題は、集まったこともだけど、何故か敵意がないってこと。僕ら……ヤンガス、ゼシカ、ククール、僕を見て一瞬戦いの構えに入るんだけど、次の瞬間にはトウカに視線を集めて跪いているんだ……トウカ、魔物使いの才能でもあったの?すごく懐いてるように見えるんだけど……。主従関係まで感じれるんだけど、どういうこと?

「えっ……なにこれ……。敵意がないから斬り捨てるってのもあれだし……」
「攻撃はされないの、トウカ……」
「うん、それは大丈夫。むしろボク見て信頼しきってますみたいな感じ……なんなんだよお前たち……」
「……そんなに従ってるなら魔物倒してこいって言えばどうなんだ?離れるかもしれないぞ……」
「あ、ククールそれいいね!」

 かなりの数に囲まれているとはいえ、固まっているから倒すのが簡単なのがわかっているせいか、すごくお気楽なトウカは軽い口調でレッサーデーモンたちに命令した。

「レッサーデーモンたち、ボクたちを阻む魔物を倒してくれないか」
『ギョイニ、ワレラマゾクハ、アナタニシタガイマス』
「……えっ……」
「……従うのかよ」
「流石はトウカの兄貴でがすよ!」
「…………トウカが困ってるからヤンガス、そう言う事は言わない方がいいんじゃないかしら……」

 レッサーデーモンが、しゃ、喋った?!まぁ、スライムも喋るし、不思議さならそうでもない……かな。でも本当に従うとはね……。ていうか魔族?……まぁ、それは分かってるんだけど、関係あるの?トウカは人間だよ?……すごく人間離れした強さを持ってるけど。

 すぐに命令に従って散り散りになったレッサーデーモンたちは僕らの前に姿を現す魔物を次々に倒していき、一方的にも近い殲滅が終わった時には得意げな犬のようにトウカに群がってドン引きされるという哀れな状況を作っていた。

 とりあえず引き攣った顔で労いの言葉をかけて場を収めるトウカの上に立つ者のオーラを惜しみなく使っている感じは凄かった。流石は貴族……あ、耐えきれずに崩れ落ちた……。レッサーデーモン……心配してるのはわかるけど、そのビジュアルで迫られたから卒倒してるんであって、攻撃されたわけじゃないから……君たちはトウカの介抱したら逆効果なんだよ!!

 無理やり割って入って、限界を超えたのか笑いが止まらなくなっているトウカを助け起こす。レッサーデーモンの顔がツボに入って笑い続けている様子を何に勘違いしたのか、トウカの周りを
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