63話 魔族
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いけど、まあ……頑張ったら聞こえるよね、うん。信じてるよ、親友。頑張れエルト!
「あの遺跡の通称は『闇の遺跡』!由来は住んでいた住民に由来するよ!まぁ、もう居ないんだけどね!」
魔物の巣窟でも無人島ではあるからドルマゲスみたいな存在にはもってこいな場所だよね。あはは、信憑性が増してきた……腕が鳴るねぇ!!早くあいつボコボコにしたいよ……国際指名手配犯並のことしてるし、まどろっこしく魔法を解かせるんじゃなくて、ゼシカとククールの仇打ちの為にもぶち殺す気満々なんだけどね……あの時の屈辱もあるし。
悪いけど、キントのときと違って少しもこの感情……殺意を抑える気はないんだ。……ん?なんで悪いけどって思ったんだ?あんなやつに。まぁいい、人の形をした人間相手だけどあいつ相手に戸惑うことはないから大丈夫。トウカ・モノトリアはいつもトロデーン王家のお望みのままに、だ。今回は私の望みでもあるけどね!父上、母上、城のみんな。早く取り戻してあの生活に戻りたいんだ。今の束の間の自由よりも昔の平穏なあの暮らしに焦がれてるんだから……!
「魔物が多くてなかなか調査が進んでないんだけど唯一分かってるのは遺跡が『魔神信仰』のものであったこと!文化が全然違ってたみたいでね、トロデーンとかアスカンタみたいな建築ではないみたいだよ!で、その魔神のことなんだけど、ごめんね!私、調べたこともあったんだけどわからなかった!まぁ簡単に『魔物や闇に通ずる者の神』ってことでいいんじゃないかな!」
魔神の名前も分からなかったから本当に曖昧なんだけどね!しかも調べた本は古い古い文献。信用ならないけどそれ以外は分からなかったなあ……。モノトリアとは全然違う血筋の古代人かもしれないね。ご先祖様の経歴は残ってるけど驚くほどにトロデーン近郊に張り付いてるからそんな孤島からは来ていないみたいだし。
「島が見えたよ、あれ?」
「そうみたいだね。……小さい船がとまってるけど、あれがギャリングさんの部下の船かな……」
ポグフィッシュを切り捨てながら前方に浮かぶ、茶色の不毛の島を見る。島の中央に鎮座しているであろう遺跡からは、禍々しい雰囲気……何故か怖さは感じない……良く分からないけど、とりあえずドルマゲスがいることはまず間違いないね。恐怖を感じないのは基本的にはいいことだし、放っておく。
・・・・
……なんだろう、この状況は。
島に上陸した僕たちは、一目散に島の真ん中辺りにあるという「闇の遺跡」目指して進んでいったのだけど、現れる魔物の様子が少し、おかしかったんだ。
もはや慣れきったことで、忽然と現れた魔物が敵意を示した瞬間、一番前で剣を構えるトウカが攻撃することを合図に戦闘が始まる。そこまでは何時もとなんら変わりなかったのだけど……。
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