62話 情報2
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……ね。完全に染められてるよね。
「そうか。じゃあ早速聞くが……」
「カジノの前でしていたさっきの話をもう一回ここでしてくれないかしら?」
……君たち仲、本当に良いね?初対面の時の険悪さは一体何だったの?見事なまでに息がピッタリだ。
「な、何のことですか?」
「あんまりこっちに時間はない。さっさと吐かないとそっちのためにもならねぇぜ?……いや、本当にな」
ククールのぼそっとした低い言葉に、うんうんと頷くゼシカと僕。それを見てちょっと苦笑しているトウカ、君が僕達が思っている主な原因になるんだけどね?
「て、て、手荒なことはしないで下さい……!話しますから!!」
「それでいい……。……俺の胃にもな……」
「はい……?」
「いや、気にしないでくれ。続けてくれ」
怖がりな人でよかった。さり気なく拳を固めて身構えてたトウカが構えを解いたし、一緒になって目を釣り上げてたヤンガスも力を抜いたし……一安心だ。あとは、話の内容がドルマゲスに関係があるかどうか、だ……。
「私の聞いたことは、今カジノが閉まっているのは……オーナーのギャリング様が強盗に殺されてしまったということと、その強盗を追いかけてギャリング様の部下が強盗を追いかけて行ったということだけです……」
「へえ……じゃあ、その強盗の居場所は分かっているの?」
「そ、それが、私は船に乗って沖合にある遺跡ということしか聞いていないんです……!」
「それだけ聞けば充分だ。……トウカ、分かる、よな?」
「ん?ああ、うん。簡単にわかったよ」
ちらっとトウカの方を見てみれば、既に地図を出して場所を確認していた。そして大きく頷いてみせる。……行き先が決まったね。この強盗が、もしドルマゲスならいいけど……。
「……教えてくれてありがとう。このことは誰にも話さないでおくよ。そっちも話さないでくれるなら……何もしないから」
去り際に囁くように言ったトウカの言葉に、最早涙目になっているバーテンダーが、何度も何度も頷いているのがいっそ可哀想だった。……口止めのためにしなくちゃいけないから誰も止めないし、何も言わないのが、本当にね……。かく言う僕も、何も言わずに立ち去ったんだけどね……。
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