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剣士さんとドラクエ[
60話 陸路2
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魔物が沸いているのかしら」
「知らないけど、手を止めていられないね……」
「ベホイ……スカラ!ベホマ!ベホマ!ぼさっとすんなっ!」

 ククール、大変だね……とはいえ、中衛後衛の僕とゼシカは大したダメージを受けること無く戦ってるし、カッカしてる間にトウカが殲滅完了して帰ってきてるし、そこまで躍起になって慌てなくても……。

「イオラッ!あのねククール、エルトは基本的に分かってくれるけど、一番トウカに毒されているのよ……一番影響されているのはヤンガスだけど……ベギラマッ!」
「ボクは別にそういった洗脳してないんだけどな?」

 随分と失礼な事を言われたなと思っていたら、ぬっと僕の背後から、突然現れたトウカが声をかけてきた。さっきまで、魔物を屠ってなかったっけ……?トウカのことだし瞬殺するだろうとは思ってたけど、その速度のまま背後に回りこまないでよ……びっくりするよ。

「この辺りの魔物はあらかた倒しておいたよって伝えに来ただけなのに、武器と魔法の恐ろしい攻撃が最後の魔物に襲いかかっていたから回り込んだんだよ。うっかり食らったらククールの喉とMPが更に枯れてしまうし」
「あぁ、ごめん」
「それより早くベルガラックに行こうよ。ボク、前に来た時はずっと宿屋に閉じ込められてたからどんな街か知りたいんだ」
「……ギャンブルって知ってるか、トウカ」
「知識では」

 剣を鋭く振って血糊を全部地面に叩き落としたトウカが、鞘に大剣を収めた音を合図にして僕達はベルガラックに向かって進みだした。少し強い風が生臭い血の匂いを吹き飛ばしていく。それとともに爽やかな空気が鼻をくすぐった。トウカとククールの少しのんびりとした会話が、さっきまでの惨殺現場と対照的すぎて少し、苦笑する。切り替えが早いな、というかなり今更な認識とともに。

「ハマりこんだら抜けれなくなる泥沼だ。そして大抵の奴は金をスッちまうな」
「でも、ククールはトランプやってたよね?あれもギャンブルの一種だって記憶してるけど?イカサマしてたように見えたけど」
「……素人が真似しないほうがいいぜ。ま、俺ぐらい手慣れていればバレないが」
「ぶっちゃけあの程度のトリックなら速さで見えないようにカバーできたりするけど」
「手がぶれてバレるだろうな」
「そうだね」

 ……このまま、ベルガラックに着くやいなやカジノに行くって言い出したりしないよね?パルミドにもカジノはあったみたいだけど、ベルガラックはパルミドと全然規模が違うのは確かだし、かなり興味もあるみたいだし、……ククール、トウカを誘導しないで。

 貴族の息子なのに妙に俗っぽいから忘れがちだけど、トウカって箱入り息子だから、そういったことから隔離されて生きてきたんだよね。隣で見てて顔が引きつるレベルで過保護に大事に育てられ
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