57話 島国
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アスカンタやトロデーンに比べると随分とミニチュアサイズの可愛らしい城が見えてきた。メダル王の城だ。ついでに言うと、私が訪れたことのない唯一の王国になる。そこはどうでもいいか。でも、新鮮な気分になれるのは嬉しいな。結構私、世界制覇を目指せるレベルで色々行っているから。
「そういえば、メダル王はちいさなメダルを集めて持って行くと宝物と交換してくれる筈だよ」
「……なにそれ?」
「代々そうやって来たってことしか知らないけど……」
「どうやって成り立っているのかしら?」
それ、解明しようと思ってレポートっぽいものを書こうとしたことはあるんだけどよく分からなかったんだ。……物珍しさからの観光客が来ないわけじゃないけど、島国故に大陸の国より来てないみたいだし……定期船もないしね。キメラの翼は一度行ったことがある所じゃないと行けないから……結局船で行かないといけないし。
世界の至る所に散らばっている小さなメダル。それの出処がわからないから……何の意味があって作られたのかが分からないし……調べた人はたくさんいるみたいだけど、魔力がこもっている訳じゃないし……。金色で綺麗だけど、それだけで金みたいな価値はないし……。で、機械で作った大量生産如く全部形が同じっていう謎ね。
……この世界、産業革命が起きそうで起きてないからなぁ……カジノのスロットがあるのに。なにこれ技術が歪んでる。だいたい魔法のせいだってことは知ってるけど……。
魔法がなまじ便利だから、技術の成長がやや遅れてるんだよね……スロットマシンも動力は電気じゃなくて魔力……だったはず。ギャンブルはやらないから知らないし、そもそもやらせてもらえない。戦ってばかりで汗と血で塗れてるけど……一応男装してても貴族の令嬢には違いないからね……。そうそう、ベルガラックでは有害だとか言われて部屋に閉じ込められてたっけ。室内でひたすら筋トレと柔軟してたから暇じゃなかったけど。
で、どんどん話が逸れていってるんだけど……なんで小さなメダルを集めて、数に応じて旅人とかに褒美と称して与える異例の王国が転覆しない理由は完全に不明だってことかな……確実に言えるのは。
「知らない。でも、あの国の人はいい人だってことだけは知ってる」
「そう……」
うん、それだけかな。たまたまメダル王の国へ行ったことのある人と話したことがあるけど……いい国だったって言ってたな。まあ、百聞は一見に如かずって言うよね。さっさと自分で行けばいいんだと思うね。
さて……私はこの錨を下ろせばいいのかな?え、直接下ろしに行くな?重いこのレバーを引け?分かったよ……よいしょっと……結構軽いね。
・・・・
着いたメダル王の城というのは……なんというか、お伽話に出てくるお城みたいな現実味のない姿
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