57話 島国
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をしていた。綺麗ではある。でも……実用性の無さがいっそ清々しい。それから遠目でも物凄く目立つ建物だ。あと、随分規模が小さかった。本当に王族だけが住んでいるような……貴族も使用人も対して住めそうにないような、そんな印象だよ。
……お城の見た目に感動する前に、この島に蔓延っている魔物の強さに舌を巻くんだけどね……強い、もあるけど固い固い。倒せないことはないけど、時間がかかる。そんな魔物はうじゃうじゃわしゃわしゃと沸いてくるんだからもう勘弁して……。
トウカでさえも、鉄のサソリみたいな魔物を切り裂きながら、「刃こぼれしそうで嫌だ」と言いながら眉をひそめていたんだから相当だよね……。あんなに嫌そうに戦うトウカなんて見たことがなかった。最終的に折っても構わない銅の剣とか、ククールのお下がりの使っていないレイピアとかで戦ってたけど。……あんなに硬い魔物を斬って、折っていないのは見事だけど、ボロッボロにしてたね……。
で、城の扉を開いてびっくり。だって、仮にも王国が、たった一枚の扉しか魔物を隔てる物が無いんだよ?!せめて柵を!せめて城門を!警備してた側から見れば発狂ものだよ!聖水効いてたら何でもいいわけじゃないの!やっぱり安全性を考えたら信じられない!
「……?!」
さらに信じられないことに、扉を開いてすぐの場所に玉座の間が鎮座していた。えっ……えっ?……えっ?何、その……襲ってくださいお願いしますみたいな、配置は……!アスカンタも相当警備薄かったけど、その比じゃない!トウカ一人なら余裕、僕一人でも国落とせそうなレベルだよ……。なんか、どっと疲れた……。
あれ?玉座の間には二つ、玉座があるのに……座っている人がいない……?片方は王様ので、もう片方はお妃様の、だよね?国主不在なの?大丈夫なの、メダル王……。まぁ、でも、インパクトとして、魔物と室内が扉一枚しか遮る物がないっていう、最高にショッキングな出来事よりは、ましかな……。
「まずは国主に挨拶だね」
「いないよ?」
「探すんだよ」
……それ、良いのかな?いないってことは何かあったんでしょ?お休み中かもしれないのに……つまみ出されない?
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