9部分:第九章
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怪しまれずに済んだよ」
「まあその辺りはよ」
「僕達もわかってるから」
こう小田切君に答える二匹であった。
「慣れてるから大丈夫さ」
「任せておいてよ」
「頼むよ。さて、それはいいけれど」
あらためて上を見る小田切君だった。そこでは相変わらず博士とヒデヨシが激しい攻防を繰り広げている。
「何か物凄いことになってるね」
「あのカイザージョーと互角に渡り合うなんてな」
「やっぱり。超時空天下人は違うね」
「全くだよ」
小田切君と二匹は上を見上げながら話す。その間にも攻防が続いている。
カイザージョーはその巨大な両腕を振り回しヒデヨシを叩き落そうとする。しかしヒデヨシは宙を飛びそれを何なくかわすのであった。
「無駄じゃ、無駄じゃ!」
「かわすというのだな」
「その通りだぎゃ!」
また尾張弁が入っているヒデヨシだった。
「わしをその程度の攻撃で倒せると思ってるだぎゃ!」
「確かにのう」
博士もまたヒデヨシのその言葉に頷くのだった。カイザージョーの左肩で。
「この程度で貴様を倒せるとは思ってはおらぬ」
「見くびってはおらんのじゃな」
「わしは相手を見くびることはない」
博士の長所ではある。
「決してのう」
「それはよいとしよう」
ヒデヨシもそれは認める。
「しかしじゃ」
「ふむ。やはり何か言いたいのじゃな」
「貴様のやることは許せん」
ここでヒデヨシのその言葉は強いものになった。
「その遊びのままに破壊の限りを尽くすその行動がな」
「何じゃ、そんなことか」
なお博士にとって何かを破壊するということは何でもないことである。それこそその辺りに転がっている石を蹴るようなものである。本当に何でもないことなのだ。
「その程度か」
「この宮殿を破壊するのもか」
「だから言っておろう。形あるもの何時かは必ず壊れる」
また言う博士だった。
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