暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第228話 結城家の食卓
[10/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
家族《・・》いや、皆一緒、皆の家族との団欒の思い出に……。

 その時だった。

「……あなた達。また、あの機械を使ってたの?」

 ぴん、とした声が。食事に手をつけて初めて場に響いた。
 その言葉に、明日奈はちらりと母親に視線を向けて、小さく頷き、玲奈も遅れて頷いた。

「……うん。みんなと宿題する約束があったから」
「冬休みは、中々 みんなにあえなかったから、向こうだったら、直ぐに会えるから……」

 言葉のひとつひとつを選んで 発言をする。
 基本的に 《明日奈》の名前が上がっている時は、玲奈は口を挟まない。そして 《玲奈》の名前が上がった時は、明日奈は、よ程の事がない限り、口を挟まない。
 自然とそう言うルールが出来上がってしまっていた。

 そして、今回……、京子は『あなた達』と言っている為、明日奈と玲奈の2人が答えたのだ。

「宿題なんて、自分の手でやらないと意味は無いわ。それに、あんな機械使っても あってることにはならないわよ。……大体、宿題なんて1人でやるものです。100歩譲っても、あなた達2人だけ。……友達と一緒じゃ遊んじゃうだけだわ」

 あの世界の事は、京子は理解してくれないのは解っていた。

 自分自身のてでやっている事には代わらず、実際に相手の眼を見て、五感の全てで相手を感じる事が出来る世界である為、何一つ代わりない。

 だけど、その世界を認めようとしてくれないのだ。

「いい? あなた達には遊んでいる余裕はないのよ。他の子よりも2年も遅れたんだから、2年分 余計に勉強をするのは当たり前です。何よりも明日奈。あなたがしっかりとしてる所をみせないと、玲奈にも示しがつきませんよ」

 京子がそこまで言った所で、『私はそこまで子供じゃない。……お姉ちゃんはしっかりしてる。自慢のお姉ちゃんなの』と、玲奈は、力いっぱい言いたかった。でも、喉の奥に何かが引っかかってしまったかの様に、言葉が出てこなかったのだ。

 自分の名を出された明日奈は、やや俯かせながらも、正面から答えた。

「……勉強はちゃんとしているわ。二学期の成績通知表、プリントして机に置いておいたでしょう?」

 明日奈はそう返した。

 ……成績に関しては以前、順位表・点数で負けてしまった相手がいる。その時は 京子に目を見開かれたが、相手が相手だった為、別段言われなかった事があったと記憶している。

 逆に、その時はこの京子も 感心さえもしていたから。そして()

 殆ど差もなく、同着が多い。玲奈も少しばかり及ばない部分はあるものの、それは殆どケアレスミス。誤差の範囲内。京子の示すノルマに似た数値は確保出来ている筈なのだ。


 だから、大丈夫(・・・)だと、思っていた。



[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ