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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第228話 結城家の食卓
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とまでは言えないのが少し寂しいけど、頑張るよー、シリカちゃんっ」
「それだけの相手だからね? さて、午後3時に24層の小島に現れるんだっけ? なら二時半にここで待ち合わせをしよう……って、あっ!」
ここで、アスナがやや慌てて声を上げた。
「ん? どうしたの? お姉ちゃん」
「レイっ、左上っ! 時間っ!」
レイナの問いに答えつつ、アスナは、レイナの顔を両手で挟んで固定。その状態で視線を左上へと向けた。その勢いに少々気圧されそうになったレイナだったが、直様、アスナと同じ様に視線だけを動かして、視界の左上に表示されている現在時刻を凝視、そして理解した。
「あっ! ば、晩ご飯の時間っ」
「そうだよ、もう6時。遅れちゃうっ」
それは結城家の決まり事の1つである。
18時きっかりには必ず夕食を……となっている。VRMMOでは自宅にいながらのプレイである為、門限とは少し違うが指定時間には必ずいる様に、と言われているのだ。
現時刻は17:53。
「じゃあ今日はここでお開きにしましょう」
リーファが自分の前のウインドウをセーブしつつ、そう言う。彼女に習って皆でぱぱっと片づけに入りつつ、リズは苦笑いをしつつ言った。
「お嬢様方は辛いわねー」
皮肉、と言う訳ではないが、良い歳にもなって、少なからず不自由がある事に憂いているのだ。それに、リズは 2人から訊いている。『あまり、実家の事は好きじゃない』と言う告白を。
アスナもレイナも、歳頃の普通の女の子の様に、気の向くままに、友達たちと遊びたいし……、たまには 羽を伸ばして、門限など忘れて心ゆくまで遊びたい、と思う事は多いのだろう。
だが、幼少期より、英才教育を受けてきたアスナ。そして、そんな姉の背中を見つつ、同じく教育を受け、自分自身も負けない様にと研鑽を積んできたレイナ。そんな彼女達だからこそ、約束、決まりごとを反故にする様な事は、どうしても抵抗が有るのだ。
普通に――、と言うありふれた少女達願いは、
彼の父親
(
・・・・
)
が思い描き続けた、
息子
(
・・
)
への願いと、何処となく似ているのである。
……今はその話は良いだろう。
今後、彼女達の家庭には深く関わっていく事になるから。
だから今は話は元に戻そう。
リーファは、セーブや片づけを手早くすませると、キリトが眠る揺り椅子の傍に来て『起きて! 帰るよー!』と、何度も呼びかけているのだが、中々目を覚ます気配がない。
最終手段に移行する旨をシリカに伝えるリーファ。
それは、少々派手に揺り椅子を動かして、起こす、という手段。
だが、そうしてしまうと、キリトの膝の上で眠っているピナやユイも同じであり、少々 リーファの刺激で目を覚
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