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SAO−銀ノ月−
第百四話
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ことが苦手だった直葉――また直葉を引き合いに出して悪いが――も最近まで、VR空間だろうと泳ぐことは出来なかった。リーファのアバターは当然泳げるが、それを操る直葉自身が泳げなければ当然無理だ。

 直葉の場合は現実世界で練習し、水泳への苦手意識を取り払うことで、リーファのアバターを十全に活かすことが出来たが――この場合は、一体どうすればいいのか。

「とりあえず……何だ。足を入れるところから」

「は……はい!」

「わ……分かったわ!」

「動け」

 返事だけは達者だったのだが。無理やり手を引っ張って水面近くまで連れて行くと、突如としてセブンが立ち上がり、ユウキに向けて挑戦を叩きつけるように指を指した。

「あなた……確かユウキ、よね。勝負よ! どっちが先に、水の中に適応するか!」

「勝負……! うん。そう言われれば受けて立つよ、セブン!」

 いきなり意気投合してがっしりと握手を結んだ二人は、揃ってソーッと足を水面に移していく。そのいつになく遅い動作に対し、『早くしろ』とかけたくなった声をグッと飲み込むと、ピチャン――と水面に足指の先端を乗せた音が響く。

「冷たっ!」

「冷たいじゃない!」

 そして文句とともにすぐさま足を離した。恐らくそうなるだろうと思っていたが、俺の狙いは足をつける以外にあった。普段ならば避けられてしまうだろうが――ユウキとセブンの服の襟足部分を掴むと、筋力値に任せて無理やり持ち上げた。軽い少女タイプのアバターとはいえ、俺の筋力値ではかなりギリギリであり……先のエクスキャリバー入手クエストにおいて手に入れた、自身の筋力値を増加させる神造武具《メギンギョルズ》が初めて役に立ったらしい。

「よーし、放り込むぞ」

「まっ――」

 暴れだすユウキにセブンだったが、即座に自身のおかれた状況に気づいたらしい。そう、こちらの手からの脱出は容易いだろうが、そうなれば自身たちが水中にダイブすることを。

「ショウキくん。考え直しましょう」

「そっそう、セブンの言う通り!」

「そもそもユウキ。ユウキと初めて会ったの海なんだが」

「あそこは飛べたじゃん!」

 ユウキにスリーピング・ナイツと初めて会った場所は、リズたちが参加した水着コンテストの会場だった。ユウキとルクスの同率優勝となった、あの大会における海は太陽が照っており、ALOというゲームの特性上飛翔できた。ただしこのアインクラッドの迷宮区では、太陽の光が届かないために飛翔できない。インプであるユウキは少ない時間だけ例外の筈だが……どうやら、この攻略戦の前に行った冒険で、効果時間を使い切ってしまったらしい。

「――――」

「――――」

 それにしても懐かしい。俺が修めてきた様々な剣
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