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SAO−銀ノ月−
第百四話
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 ……アインクラッド第二十一層迷宮区、フロアボス部屋近くの広い安全地帯。そこには多種多様な妖精たちが集まっており、そのいずれの妖精もが歴戦の勇士のような雰囲気を感じさせた。

 ……ついでにその妖精たちの大多数が、孔雀の羽根のような髪飾りをつけていた。

「シャムロック、か……」

 羽根の髪飾りをつけた妖精たちを見ながら、何とはなしに俺はふと呟いた。それはかのギルドメンバーの証であり、彼ら彼女らは自らを《クラスタ》と呼んでいた。もはやこのALOの最大戦力とも言える《シャムロック》は、新しく解放されたアインクラッドすらも悠々と攻略していた。

 自分個人としてはシャムロックに、ひいてはそのギルドメンバーであるクラスタに、特に不満や悪感情があるわけではないが。領から大量の戦力を引き抜かれたレコンやその友人のリーファのように、あまりシャムロックについていい印象を持っていない者も多い。それらには例外なく、リーダーのセブン自らが真摯な対応をしていたが、まだまだ騒ぎは続いてしまうだろう。

 ……そして。そんな時の人――という表記が正しいかは分からないが――のシャムロックに、フロアボスの共同攻略を提案された俺たちは、こうして迷宮区に連れ添っていた。あまり迷宮区には足を踏み入れていなかったが、当時のあの頃とまるで変わらない出来だ。

「一緒に〜ってより寄生よね、これじゃ。はい次の人ー!」

 同じく誘われたリズが武器のチェックをしながらも、そう言いながらため息をつく。《シャムロック》がかなりの大型ギルドと言えど、やはりフロアボス攻略に参加できるレプラコーンは少ないらしく、この安全地帯までに来るにあたって消耗した武具の回復を任されていた。……おかげで今月も黒字になりそうだが。

「寄生?」

「攻略に貢献しないでいるだけってことだよ。これ、追加な」

 VRになってからはあんまりいないけどな――と、俺の疑問に答えてくれながら、キリトが新たな注文の武器を運んできた。なるほど、と納得しながら運ばれてきた武具を持ち、コンパクト鍛冶セットで武具の耐久度を回復していく。《シャムロック》のメンバーがこの迷宮区を埋め尽くさんという勢いに対し、俺たちは急な話ということもあって1パーティーだ。もちろん立ち尽くしている気などないが、この人数比ではそうなるのもやむなしかも知れない。

「私たちには私たちに。出来ることをすればいいさ」

「うんうん、ルクスの言う通り!」

「いやー、フロアボス戦って初めてですよ。腕が鳴りますねー」

 何とかパーティーとして集められたメンバーは、もちろん誘われた当人である俺にリズ、セブンのファンであるルクスに、偶然店を訪れていたユウキにテッチ。スリーピング・ナイツのメンバーをまだ呼べたかもしれないが、あいに
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