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ソードアート・オンライン 〜story of Liebe~
第5話
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ン、ちょっと来い」
腕を掴み男の長身を人込みを躱しながら人気のいない路地に行く。
「よく聞けクライン。俺は今からすぐに次の村に向かう。奴の話が本当ならこれから大事になってくるのは自分自身の強化だ。お前も分かっているだろうがMMORPGではリソースの奪い合いが当たり前だ。多くのプレイヤーも落ち着きを取り戻したら経験値や金を取りに動き出すだろう。そうなればここら一帯はすぐに枯渇するだろう。再湧出(リポップ)を待つのもいいが効率が悪すぎる。今のうちに移動しながら経験値とかを獲得しつつ次の村を拠点にする。俺も大体のことを知っているから安全だ。だからクライン、ついて来い」
「でもよ、俺には他に仲間がいるからよ……嬉しい話だが、乗ることはできねぇ。それにこれ以上お前の世話になるわけにはいかないしな」
確かに仲間がいるのは知っていた。その人たちを放っておくわけにはいかない。だが、納得いかなかった。せっかく助けることのできるプレイヤーを逃すことになるかもしれないからだ。
「……分かった、ならここで別れよう。何かあったメッセージを飛ばしてくれ」
「ありがとな、キリト」
俺は振り向て次の街に向かおうとした。動き出してすぐに声がかけられた。
「キリト!おめぇ、本物は結構かわいい顔してやがんな!結構好みだぜ!」
俺は苦笑いして答えた。
「お前もその野武士ヅラの方が似合っているよ!」
と返して俺は走り出した。路地を曲がり走り出す。振り向いても誰もいない。悔しい思いを抑え、前を向いて走りだした。
そろそろ街をでるころ最後の路地を曲がろうと思い走っていると、前を見知らぬ二人組が通り過ぎる。
「!?プレイヤー……?おかしい、俺が一番に抜けようとしてるはずだ」
クラインと話しているときはまだ落ち着きを取り戻していなかったはず……叫び声も聞こえていた。俺より先に行動しているやつはいなかった。
それにちらっと見えた二人組の装備、あれが初期装備なのか?
「追いかけてみるか……!?」
そう思い曲がるが既に姿はなく静かだった。
「……何者なんだ?」
その疑問を解決できなかった。気にしてても仕方ないため走り出す。
この世界のクリアのために………
「いやー、危なかったね。ばれちゃうとこだったよ」
「いや、完全にバレてたぞあれ」
「えぇ!?うそぉ!?」
人気のない路地で会話のみが響く。
「全く、だからあれほどこっちはダメだっていったのに……それはいいとして、これから先どうなるんだろうな」
「分からない、けど進むしかないよね」
「だな……行くか」
その会話は路地の奥へと消えていった。
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