第6話『邂逅』
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女の子誰だったんだろ。多分うちの学校だよね?」
「歳も近そうだったしな」
話題はいつの間にか『入学式の朝に晴登にぶつかりそうになった女の子について』に切り替わっていた。
・・・あれ?
「何であの子、あの時間帯に居たんだろ」
私はあのシーンで疑問に思うことを呟いた。
まず、あの子は私たちと同い年…たぶん。
普通だったらあの場所を通るのは日城中の生徒。よってあの子は日城中の生徒……きっと。
だが入学式の為、あの時間帯に生徒は居ないはず。
これらをまとめると、1つの結論が導かれる。
「え…? あぁ…確かに。てことはもしかしてさ・・・」
「「あの子も時間を間違えたのか」」
私と同じ考えになったのだろう晴登と口に出して導き出された結論を言ってみると、失礼ながらも笑いが込み上げてきた。
「ま、まさか俺たちと同じ人が居たなんて…」
「じゃあ、あの時のあの子は帰り道だったんだよね?」
「まぁそうだろうな。向こうから来てたし」
「私たちよりも先に学校に着いて・・・ふふっ」
ダメだ。笑いが止まらない。
これをもしあの子に見られ、「何で笑っているの?」と訊かれたら、何と答えれば良いのだろうか。
「ふぅ…疲れた」
「さすがに不謹慎すぎたかな」
名前も知らない少女を嘲笑うというのは、不謹慎かつ可哀想と思った私たちは笑いを止める。
「明日学校で探してみるか?」
「お、コミュ障のくせに勇気がありますね〜? やっぱり何か期待してらっしゃいますか〜?」
「な、馬鹿! 違ぇよ!」
「怪しいですね〜?」
…私って何時からこんな性格になったのだろうか。
これではただのオバサンではないか。少し自重せねば。
「ほら、家まであと少しだから余計なこと言うなよ」
「はいはーい」
「…ん?」
ドガッ!
「ぐはっ!?」
「きゃっ!?」
「えっ!?」
さて。今の一瞬で何が起こったのか少し説明しよう。
まず、晴登が曲がり角を曲がろうとした。すると、女の子とぶつかった。その女の子をよく見れば、何ということでしょう。入学式の朝にぶつかった美少女だったのです。
まぁあの時は寸止めで済んだけど、今回はぶつかっちゃいましたとさ。
「いって〜・・・って、あ! あの時の…」
「うぅ・・・!?……あっ!」
「「大丈夫ですか!?」」
わぁ見事にハモった。初対面で(正確には2回目)でここまで息が合うとは、何か疑ってしまいそうだ。
「あ、えっと、すいません! では・・・!」
「ちょっと待って! ねぇ、あなた同じ学年だよね? そこ
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