4部分:第四章
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った。
「実質的には不老不死なのじゃよ」
「不老不死ですか」
「わしは不滅じゃ」
そのヒデヨシの方からの言葉である。
「決して死ぬことはないのじゃ」
「それはわかりましたけれど」
小田切君は不死身とかそういうことに関しては博士という実例を知っているのでとりあえずは納得した。博士にしろ宇宙開闢の頃から生きているのである。
「それでどうして大阪城に戻っておられるんですか?」
「おかしなことを言うのう」
しかしヒデヨシは小田切君にこう返すのだった。
「わしが大阪城にいて悪いのか?」
「あっ、そういえば」
小田切君もヒデヨシに言われてふと気付いたのだった。
「ここって貴方のお家でしたよね」
「左様。大阪城は我が居城」
そうなのである。大阪城は他でもないこのヒデヨシの居城だ。彼がその持てる力を尽くして築城した天下の名城なのである。難攻不落とさえ謳われていた。
「この城にいて不自然ではあるまい」
「そうですよね。それは確かに」
小田切君も博士の言葉に頷く。
「じゃあ特に驚くことはないか」
「しかし。天本博士よ」
「何じゃ?我が強敵よ」
この場合強敵と書いて『とも』と読む。
「そのわしの城を勝手に基地に改造しようとはいい度胸をしておるのう」
「悪いか?」
「悪いに決まっておる」
ヒデヨシの側から見ればまさにその通りである。
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